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今日もCOVID-19

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室106.2021.9.12. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 現在、松阪市民病院統括副院長兼呼吸器センター長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php **************************************** 今日もCOVID-19 COVID-19新規感染者が少なくなってきたとはいえ、少し危惧があることも事実です。三重県においても、1ヵ月ほど前から濃厚接触者の追跡を止めてしまいました。今までは保健所にまだ余力があったため、濃厚接触者についてはほとんどと言っていいほど全員追跡し、PCR検査を行っていました。しかし、現在では濃厚接触者のPCR検査は行われていません。本当に新規感染者が少なくなってきたのか、それとも濃厚接触者の追跡を止めてしまったから、見かけ上新規感染者が減っただけなのか、しばらく様子を見ないとわからないと思っていました。しかし、昨今の状況を見ると、本当に患者数が減少傾向にあるようです。 しかし病棟が 逼迫していることも事実です。テレビのニュースなどでは“病床利用率何%”と騒がれていますが、病床利用率を100%にする事が理論上は可能であっても実際問題は不可能なのです。第1に、重症患者さん用のベッドを埋めてしまうと、今現実問題として入院している中等症の患者さんが重症になった時、呼吸器管理を始めとする集中治療ができなくなります。重症患者さんを管理するにあたっては、人工呼吸器や部屋があるだけでは管理できません。人工呼吸器管理を感染対策のもとで行える医師や看護師などの医療従事者が1番必要となります。 機械や部屋などはすぐに作ることができても、すぐに人材を養成する事は不可能なのです。全ての医師、全ての看護師が重症患者さんを管理できるわけではありません。まずモチベーションが高く、しかも技量が高い医師や看護師でないと重症患者さんの管理をする事は不可能なのです。従って、言い方は悪いですが、例えば療養病床で勤務している医療従事者は、普段は入院患者の介護やリハビリなどを担当することが多く、すぐに集中治療を行おうとしてもそのような事はできないわけです。 現在、多くの人工呼吸器装着の患者さんは、鎮静剤を使用しながら人工呼吸器を使用しています。全国的に人工呼吸器管理の患者さんが増加したため、通常は十分に供給されている鎮静剤も使用することができなくなっています。COVID-19に使われるステロイドである“デカドロン(一般名:デキサメタゾン)”と言う薬も全国的に品不足になっています。まず供給体制をしっかりと確保しないと患者さんの管理ができなくなってきています。

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