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第181回 分散型アセットマネージメントとDeFi その1
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▼今回の記事
いつものように今回も、ビットコインを中心とした暗号通貨の全体的な動きを概観する。
次に、「分散型金融(DeFi)」の「分散型アセットマネージメント」の分野を紹介する。このメルマガでは、「分散型金融(DeFi)」のレンディング、ステイキング、デリバティブ、預金、先物など複数のサービスを個別に紹介してきたが、「分散型アセットマネージメント」とはこれらすべてを包括し、ユーザーにもっとも理想的な投資のポートフォリオを提供するサービスのことである。今回はこの概要を紹介する。
▼先週の動き
それでは、早速今回の最初のテーマを書く。ビットコインを中心とした暗号通貨の先週の動きだ。
先週は、ビットコインの価格が大きく下落した。9月7日には5万2800ドル(約580万円)を超える高値を記録したビットコインの価格は、9月8日の取引で4万2900ドル(約470万円)まで急落した。ピークから底までの24時間で、なんと約19%の急落である。
ビットコインは5万ドルの水準に到達すると相場の調整局面に入り下落するとの予測もあったが、たしかにその通りに進行した。利益確定売りの活発化による相場の下落である。しかしながら、今回の下落の最大の引き金になったのは、ビットコインを法定通貨にした中南米の国、エルサルバドルの状況である。
●エルサルバドルの状況
9月7日、ビットコインはエルサルバドルの法定通貨として本格的に導入された。これは世界銀行やIMF、そして各国の中央銀行は強い拒否反応を示していただけに、エルサルバドル国内でどのような状況になるのか判断が分かれていた。ビットコインは決済通貨としてきちんと機能するのか、または逆にエルサルバドル経済に大きな混乱をもたらすのかが注目されていたのである。
エルサルバドルの中央銀行は、ビットコインの法定通貨化の準備としてこれを積極的に購入した。現在、550BTCを保有しており、現在の価格でおよそ2880万ドル相当の価値がある。この積極的な買いが9月7日までのビットコインの急上昇のひとつの背景になったものと思われる。
しかし、9月8日以降、ビットコインの本格的な導入が始まると、多くの問題が露呈した。そのひとつは、エルサルバドル政府が開発した決済アプリ、「チボ(Chivo)」の不具合である。
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