「嘘と歪曲ばかりの政局論争、本質を外すな」
自民党総裁選に関しては、様々な報道が飛び交っています。ですが、どう
もどの報道も、ピントが外れていて本質からズレているように思うのです。
とりあえず、気になることを箇条書きでメモしておきたいと思います。
1)「敵基地攻撃論は北朝鮮問題だけ」
高市氏が言い始めて、岸田氏まで同調する中で、すわ戦争か改憲かという
感じで左派世論は怯えたり怒ったりしており、一方で右派世論は(何を勘違
いしたのか)これで安心できるなどと思っているようですが、勘違いも甚だ
しいものがあります。本件は、北朝鮮のミサイルをどうやって無力化するか
という話であり、それ以上でも以下でもありません。この問題を超える話と
しての「敵基地攻撃」は3人とも言及していないはずです。
2)「高市氏の全方位戦略に乗せられるな」
高市氏はTVに出演して「右翼にみられている」のは心外だなどと言って
いましたが、騙されてはいけません。といっても「本当は右翼」だという意
味ではありません。彼女が右派的な言動をしているのは、保守票が欲しいか
らであり、それは選挙区(奈良2区)を勝ち抜くため、また今回は総裁選で
存在感を見せるためにやっているだけです。
ですから、「右翼に見られているのは心外」というのは一面の真実ではあ
ると思います。ですが、TVでそうした文句を言ったというのは「右翼以外
の票も欲しい」という意味であり、それ以上でも以下でもないわけです。つ
まり、アメリカで左派議員のインターンをして、帰国後は出羽守モード全開
という出発点から、有権者との間で妥協を繰り返した結果、政策や思想のベ
ースを失い、当選するためには何でもやるというスタンスに変節した、これ
が問題なのです。
理由は簡単です。総理になって「前例のない事態」に直面した際に、無思
想、無原則の人物では対処できないからです。
高市氏は「アベノミクス」を継承して「サナエノミクス」をやるなどと言
っていますが、これに対して「女性としての媚を感じる」などという批判が
ありますが、これも全くの的外れです。
何故ならば、「アベノミクス」と「サナエノミクス」は1番目(金融緩
和)2番目(財政出動)は同じですが、3番目が異なるからです。安倍氏の
場合は「第3の矢」は構造改革でした。結果的に何もできませんでしたが、
とにかく旗印としては改革だったのです。ところが高市バージョンの3番目
は、改革の旗を下ろしてしまっています。これは大問題で、そこを突かない
論評というのにはあまり意味がないと思います。
3)「共産党は暴力革命路線か?」
立憲との共闘を鮮明にしている共産党に対しては、「暴力革命路線を捨て
ていない」という批判があります。これはデマだと思います。その一方で
「かつて暴力革命路線だった」というのは事実ですが、これは過去形であり、
そこを叩いても好き嫌いの話にしかなりません。
問題は共産党には「党内民主主義」と「少数意見」がないという点です。
(続く)
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