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言いすぎか!!
弁護士北村晴男 本音を語る
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Vol.125
2021.9.15
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目次
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【1】 『アフガンで日本協力者を救えず
なぜ日本は判断が遅いのか』
【2】 『北村晴男の"素"』
【3】 『番組出演予定
イベント情報』
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【1】 『アフガンで日本協力者を救えず
なぜ日本は判断が遅いのか』
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日本は、またもや大失敗をした
櫻井よしこさんの連載「美しき勁き国」で著された「アフガン失態 憲法の束縛」(産経新聞9月6日付)を読んで、衝撃を受けた。
わが国はまたもや大失敗した。
何故(なぜ)なら、日本は、日本に協力したアフガン人500人余を救出できなかった。これは主要国では日本だけだという。
アメリカは11万人余、ドイツは5,000人余、イギリスは大使自らがカブール空港に残り、1万5,000人以上のイギリス人とアフガン人を救出している。
さまざまなメディアが報じているが、今、タリバンは誰が外国に協力していたか、その人たちを探しているという。いろんな人を拷問するなどして、さまざまな情報からリストをつくっている。協力者たちは、タリバンに見つかれば、間違いなく殺されるだろう。
欧米諸国に協力したアフガン人たちは、その国々が国外に脱出させている。日本に協力したアフガン人たちも逃げようとした。だが、(結果として)日本は一切助けてくれなかったという。
日本大使館に18年間勤務する警備員がテレビのインタビューに、以下のように答えている。
「カナダやイギリスなどの大使館は現地職員や警備員を一緒に国外退避させました。私たちの命も同様に危険にさらされているので、国外退避をお願いしました。日本が無理なら第3国でもいいのです。しかし、日本大使館の担当者は『私の責任では決められないから東京と話す』と言いました。そして渡されたのは紹介状だけでした。本当に悲しくて悲しくて仕方がありません」(テレビ朝日8月29日付)。
日本大使館の職員12人は17日、カブール空港からイギリスの軍用機でアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに退避した。
国際機関で働く邦人や日本に協力したアフガン人が多く残っている中での外務省職員の待避に、非難の声があがった。
それに対して外務省は、「アフガン在住の10人余は民間のチャーター機による退避が終わっており、邦人を置いて逃げたとの非難は当たらない」と言い、「日本に協力したアフガン人を救出できなかったこと」については、まったく触れていない。
各国が自国民の救出を開始したその日に、
日本外務省は自衛隊機投入の中止を要請
今年5月30日のメルマガで、門田隆将さんが著した『日本 遙かなり』(PHP研究所、2015年)にある、トルコのエルトゥールル号遭難事故とイラン・イラク戦争(1980〜88年)での邦人救出劇について書いた。YouTube弁護士北村晴男ちゃんねる第1~3回、8~11回、16~21回でも詳しく述べている。
当時の日本は、「自衛隊は一切海外に出さない」というメチャクチャな考えに縛(しば)られ、在留邦人の救出はすべて外国頼みだった。
今回は、自衛隊機は遅ればせながらだが、飛ばした。だから、すべて外国頼みとは言わない。だが、大使館員の12名はイギリスに頼る結果となっている。
日本政府は14日(カブール陥落前夜)から、27日に日本人女性1人を自衛隊機で脱出させるまでの14日間、何を議論し、何を判断していたのか。
アメリカのバイデン大統領が「アフガニスタンからの米軍の完全撤退を8月末までに完了させる」と明言したのが7月8日。その時点で日本政府は「8月末までは安全が保たれるんだろう」と楽観視し、民間機で脱出させればいいと考えていたようだ。
ところが、タリバンが首都カブールにどんどん迫ってきた。8月14日の夜になって、外務省は内々に自衛隊機の利用可能性を防衛省に打診している。
防衛省はその要請を待っていたかのように、即、快諾。翌15日にカブールがタリバンによって陥落。その時点で米軍など各国の軍隊は、必死のオペレーションを展開。自国民と自国に協力してくれたアフガン人を救出しようとメチャメチャ頑張る。
ところが驚いたことに、その15日に、外務省は防衛省に自衛隊機投入の検討を中止するように要請している。
考えられない。外務省だけがアホなはずはない。「日本はまともな国ではない」と考えるほかない。
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