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【特別増刊号】私が米Ginkgo Bioworks社に投資した理由。未上場ユニコーンの株主になる方法、必読の資料、合成生物学が世界を一変させる可能性について

週刊 Life is beautiful
━━━━━━━━━━━━━━━━━ 週刊 Life is beautiful 2021年9月21日 特別増刊号 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ まぐまぐ編集部です。 本日は「特別増刊号」として、8月に配信した記事を再度お届けします。 前半部分は、まぐまぐ公式メルマガ(MONEY VOICE)にも掲載されていますが、以下はその続きを含む全文となります。ぜひご覧ください。 ───────────────── ●私が米Ginkgo Bioworks社に投資した理由。未上場ユニコーンの株主になる方法、必読の資料、合成生物学が世界を一変させる可能性について ───────────────── ◆Ginkgo Bioworks 最近、リスクは高いものの大きなポテンシャルを持つ会社の存在を知り、私なりの調査をした挙句、株を購入した会社があります、Ginkgo Bioworks (SRNG)という会社です。 きっかけは、ARK Invest が Ginkgo Bioworks の株を大量に購入したという報道です。ARK自身の「 ARKK Holdings of Ginkgo Bioworks 」というページによると、8月5日から20日にかけて、823万株を購入しています。一株あたりのコストは約 $10 なので、$82.3 million (約 90 億円)を投資した計算になります。 ARK Invest は Cathy Wood が運営する投資ファンドで、Tesla のポテンシャルを早々に指摘したことで評価が高まり、私も彼らの投資先には注目しています。 Ginkgo Bioworks は、2009年に MIT の研究者たちによって設立されたバイオテックのベンチャー企業で、遺伝子を組み替えたバクテリアを活用した「バイオ工場」の実用化を目指しています。 分かりやすい例が、イースト菌を使ったCBDの生産です。 CBDは、大麻に含まれる体の痛みを和らげ、リラックスさせてくれる成分ですが(幻覚症状を起こすのは別の成分です)、大麻からCBDを生産する遺伝子だけを抜き出し、イースト菌に組み込むことにより、そのイースト菌を培養するだけで、CBDを安価に大量生産することが可能になるのです。 それだけなら、それほど珍しい話ではありませんが、Ginkgo が目指しているのは、この分野で Amazon の AWS のような存在になることです。 つまり、自分たちは、そんな「バイオ工場」ビジネスに特化して、自動化による生産効率の向上と生産コストの低下を目指し、さまざまなバイオベンチャーがバイオテック・ビジネスを立ち上げる際のプラットフォームになることを目指しているのです。 上のCBDのケースでは、Cronos Group (CRON) という大麻ベンチャーに向けて CBS の大量生産を行なう、という試みです( Cronos Group and Ginkgo Bioworks Amend Agreement to Accelerate Commercialization of Cultured Cannabinoids and Cronos Group Begins Commercial Production of CBG ) 。 Bold Threads というベンチャー企業は、生物を活用した新しい素材を開発・生産している会社ですが、ここも Ginkgo と組んで、絹糸の人工生産に取り組むと発表しました( Bolt Threads Partners With Ginkgo Bioworks to Improve Efficiency and Sustainability of Its Bioengineered Silk )。 Antheia は、遺伝子工学を活用した薬の開発をしている会社ですが、ここも Ginkgo と組んで、新薬の開発をすることをアナウンスしました( Antheia and Ginkgo Bioworks Announce Partnership to Accelerate Production of Essential Medicines using Synthetic Biology )。 これらの例を見て分かる通り、遺伝子工学が応用できる範囲は多岐にわたり、Ginkgo はそれぞれのビジネス・セグメントでイノベーションを起こそうとしてる複数のベンチャーに対して「自分たちでバイオ工場を作るのと比べると、はるかに安価に生産出来る」というプラットフォームを提供出来るのです。 ビジネスモデルとしては、現時点では、研究施設の使用料が大半ですが、今後は、成果物からのロイヤリティや、パートナー企業の株を持つことによるキャピタルゲインを目指すとのことです。Ginkgo は、現時点では未上場の会社ですが——

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