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新しい風

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室107.2021.9.19. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 現在、松阪市民病院統括副院長兼呼吸器センター長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php **************************************** 新しい風 まだまだ油断は禁物ですが、ようやくCOVID-19新規感染者が減少してきた感があります。緊急事態宣言や蔓延防止法もある程度の効果はあったのですが、なによりも大きいのは“国民の5割以上がワクチンを接種したことによるもの”だと思います。日本で接種を行っているワクチンは、最も効果が高いmRNAワクチンがほとんどなので、他国よりもワクチン効果が高いことが考えられます。ただ、春先よりワクチン接種を開始しているのですが、3回目のワクチンを早急に接種しなければ医療従事者のクラスターが再度発生することになりかねません。3回目と言わず、定期的にワクチン接種を行なっていく体制づくりが大切だと思います。 個人的に“ワクチン接種の禁忌に該当する人はほとんどいない”と思っています。全員のワクチン接種が大切です。ただ、1回目のワクチン接種で、ごく稀ですが心筋炎などの重篤な副作用が出た場合は2回目の接種はできません。その場合、1回目にmRNAワクチンを接種された人は、2回目の接種でタイプの違う、例えばアデノウイルスベクターを利用したアストラゼネカ社のワクチンを接種するなどの工夫が必要かと考えます。 この期に及んで“ワクチン接種をしない”といった選択肢はないですし、医療機関や介護施設などの職員や関係者は、必ず接種するよう義務化すべきかと思っています。クラスターが出て何人もの人が亡くなったと色々な病院で聞きます。罹患する職員はほとんどと言っていいほど“ワクチン未接種者”だという現状を目の当たりにすると、特に医療現場において接種しない自由を振りかざす職員は“全く医療従事者としての自覚が足らない”と言わざるを得ません。ワクチン接種の差別はしませんが、区別は社会を守るため、命を守るため必要です。ワクチンに関する政府の対応は、及び腰と言わざるを得ません。努力してもどうにもならないことを言うのは差別だと思っていますが、ワクチン接種は希望さえすれば年齢制限はあるものの、ほとんどの国民が可能なわけです。特に医療現場にいる私たちは、患者さんの命を守るためにも全員が接種すべきでしょう。

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