2021年 第 37 号
【長尾和宏の「痛くない死に方」】
こんばんは。長尾和宏です。
台風が迷走しながら近づいています。
なんだか、この1年半の我が国のコロナ対策のような迷走ぶり。
我が尼崎にも、どうやら明日、上陸らしい。戦々恐々としている。
人工呼吸器や、気管内吸引をつけている患者さんには、
台風上陸は、家の中で過ごしていても、命に係わる恐怖だ。
2018年の9月だったか、台風によって関西地域は大規模な停電
となった。あのときの悪夢は、今思い出すだけでも鼓動が激しくなる。
まずは、停電時に何が起きるか、シミュレーションをしてほしい。
・家の中が真っ暗で不安になるし、夏は蒸し暑い
・携帯電話が懐中電灯になるが、時間に限りがある
・懐中電灯に使っている分、携帯の電源は早くなくなる。
・だから普段から充電器を持って、こまめに充電を
・オール電化だとお湯も沸かせないことになるから非常食の準備を
・車庫の電動シャッターが上がらないので、車を出せない家も
・タクシーを呼べども来ないし、そもそも走ってない……
僕の在宅患者さんには、人工呼吸器装着中の人が、常に数人おられる。
多くはALSなどの神経難病の方や、18トリソミーという遺伝子異常
の子供ちゃんである。
台風上陸というニュースを聞くたび、すぐに僕は、その患者さんたちの
対応を頭の中でシミュレーションしている。
コロナ禍においても、だ。
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