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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第445号2021.9.14配信分
●9月2日に東京地裁から禁錮5年の実刑判決が下った
少子高齢化による社会の変化は、あらゆることが今まで通りでは立ち行かな
くなった現実を突きつける。2019年4月、東京池袋で発生した乗用車により多
数の死傷者を出した事故は、被告人の年齢の高さ(当時87歳)と元高級官僚とい
う経歴からメディアの格好の『事件』として扱われ、その情報量の多さに影響
を受けた現代人の関心を集めるに至った。
痛ましい事故であり軽々に論じることは憚られるが、それが都心の一大繁華
街の出来事ではなく、市井の一老人による過失事案だったとしたらここまで大
きく報じられることもなかったのではないか。ここに来て交通事故による年間
死亡者数は大きく減少(2020年は2839人と1948年の統計開始以来最少となり、
始めて3000人を下回った:警察庁)したが、高齢化社会の進行に伴い相対的に
老人ドライバーの比率が高まっている。その未知の状況ゆえの不安な気分が、
人々の注目につながったと見てもいいだろう。
去る9月2日に東京地裁から禁錮5年の実刑判決が下った。被告・検察側双方
からの控訴ありやなしやで注目されたが、期限の16日までにいずれからの手続
きがなく刑が確定した。これにより検察当局は刑務所への収監手続き入るが、
年齢や体調を考慮の上刑の執行停止の可能性もあるようだ。
この事件では、多くの立場から様々な意見が文字通り噴出した。罪を受け容
れた飯塚幸三氏については多くのメディアがそのプロフィールを紹介している。
事件の経緯についても詳細を知るのに苦労をしないほど情報が溢れる。クルマ
の技術面から見た考察についても同断で、詳しくは知りたい事柄を率直に打ち
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