今週のざっくばらん
3Dプリンタ
3Dプリンタには何年か前から興味はあり、何度か買おうと試みたこともあったのですが、選択肢も多く、スタイルや値段もさまざまなので、毎回、迷った末に「慌てて買う必要もないか」と手を出さずにいました。ただでさえ仕事が忙しいのに、3Dプリンタで遊んでいる暇はない、とも感じていました。
しかし、今回たまたま「3Dプリンタでしか解決できない問題」が生じたので、再度調査をすると、ハード選びもソフト選びもすんなりと進みました。
選んだハードは、「Creality Ender 3 Pro 3D Printer with Removable Build Surface Plate and UL Certified Power Supply 220x220x250mm」です。Amazon で評価の数が多いものをいくつか選んで、Youtube でサーチをし、それらのレビューを見た結果、これを選びました。気に入った点は、値段が手頃($236)であること値段の割にクオリティが高いという評判があることオープンな設計で、修理やアップグレードの自由度が高いことユーザーのコミュニティが大きく、活動が活発であること
の4点です。
3Dプリンタの市場は、通常のプリンタと違って、まだまだ未成熟でホビイスト向けのもので、大手メーカーによる寡占化の気配すらありません。メーカーからのサポートはあまり期待出来ないので、ユーザー・コミュニティはとても重要です。
Amazon で注文したところ、3日で届くというので、その3日間でソフトウェア選びをしました。大したことをするわけではないので、ハイエンドなソフトウェアは必要ありませんが、作りたいものを簡単に作れることはとても重要です。
そこで、以前に使ったことのあるBlender (オープンソースの3Dモデリング・ソフト)をダウンロードして久しぶりに使ってみましたが、機能が多すぎて逆に使いづらく、再び使えるようになるにはかなり時間がかかりそうでした。そこで出来るだけ簡単なものを探していたところ出会ったのがTinkerCADです。
TinkerCADは2011年に元Googleのエンジニアが作ったウェブベースの3Dモデリング・ソフトです。2013年には Autodesk が買収し、Maya の簡易版のような位置付けで無料で提供し続けています。
TinkerCADは機能は限定されていますが、ユーザーインターフェイスがとてもシンプルで直感的で、(Blender と違って)誰でもすぐに使えるようになります。 しかし、何よりも気に入ったのは Codeblocks と呼ばれるプログラミング環境があることで、これを使うとコードを書くことにより3Dモデルを生成することが可能になり、私のようなプログラマーにとっては素晴らしい開発環境です。
下の画面は、mmhmm の3Dロゴを生成するプログラムを開発している画面ですが、こんな風にプログラムを使って3Dモデルを作ると、後からパラメータを微調整するのがとても容易になるのでおすすめです。
iPad 向けには専用のアプリもありますが、これにはウェブ版にはない「USDZ をエクスポートする機能」がある点が優れものです。自分で作ったモデルをすぐに iPad/iPhone の AR 機能で実空間に置くことが出来るのがとても便利です。下の写真は、作ったロゴを iPad のキーボードの上に表示させているところです。こんな楽しいことが、iPad だけで出来るようになったのです。
なんと言っても素晴らしいのは、注文した3Dプリンタが届くまでの3日間で、TinkerCAD の全機能ををコーディングも含めてほぼマスター出来てしまったことです。これほど簡単であれば、小学校の高学年でも十分に楽しめるレベルなので、子供たちに「プログラミングの楽しさ」を体験してもらうのには、最適のツールだと思います。
予定通り、3日後にハードウェアは届きましたが、この市場がまだ「ホビイスト向け」のものであることを強く実感する体験でした。
組み立ては1時間半ほどで終わりましたが、苦労の連続でした。組み立て説明書はついてはいるのですが、細かい作業が多いし、そもそも「3Dプリンタとはどう動くのか」を理解していない人には、とても困難な作業です。IKEAの家具を組み立てたことがある人がある人なら分かると思いますが、あれを3倍ぐらい困難にしたイメージです。この手の組み立て作業が好きな人でないと、出来ない作業です。
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