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第12回:公表資料から政策の方向性を先取りする方法  -政府会議資料の読み方- (1)

政策人材のための教科書 ~現場の声を政策につなげるために~
  • 2021/09/24
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1.政府会議の資料は情報の宝庫 こんにちは、千正組の千正康裕と西川貴清です。 今回は政府の会議から政策の方向性を先取りする方法について取り上げます。 政府では日々様々な会議が開催されています。例えば、第3回:骨太の方針とは(菅政権の最重要政府方針を理解する)で取り上げた経済財政諮問会議では今後1年間の財政政策・経済政策の方針を決めるための議論が年間を通して行われています。 2000年頃から日本の重要政策の方向性を定めるために活用されてきたこの会議では、総理に任命された民間人を会議のメンバーとして招くことになっています。 民間人は連名で又は個人名で政策を提案し、個々の政策を担当する各省の大臣が、現状の取組を踏まえた対応方針について回答します。そして数次の議論が行われたのち、最終的に6月の骨太の方針につながっていきます。 経済財政諮問会議は日本の政策方針を知るうえで絶対に押さえておかなければいけない会議ではありますが、他にも政府内にはさまざまな会議が立ち上げられています。社会に対する影響の大小はありつつ、すべての会議において、政策に関わる何かが固められていることは間違いないのです。 また、経済財政諮問会議のような、日本の大きな方向性を議論する会議以外にも、霞が関では無数の政策を検討するための会議が開催されています。読者の皆さんの特定の活動に関係するものだけでも、いくつもの会議が並行して開催されて、検討が進められています。 こうした会議の検討状況は、報道されることもありますが、よほど注目度の高い物でない限り、会議が立ち上がって検討がスタートした時と、会議の結論が出た時に報道が集中します。 それだけを見ていたのでは、民間の立場の方からすると、議論がまとまったタイミングで政策の結論が出たという情報をキャッチすることになります。そして、それから自分たちの活動やビジネスについて、どう対応していくかという後追いになってしまいます。 でも、我々プロの目から見ると、いつ、何が、どういうメンバーで議論が進み、論点が何なのか、どういう方向性になりそうかなど、会議の結論が出る随分前から見通しを立てることができます。 そういう見通しがあらかじめ立てられれば、政策の影響を受ける民間側としても十分な余裕を持って、自らの事業の方針を検討することができます。 例えば、企業などでは、先を見通して来年の予算を確保しておくということもできるでしょう。また、議論のプロセスやスケジュールを理解しておくことで、場合によっては政府の議論に足りない視点をインプットしたり、働きかけをしたりすることも可能になります。あらゆる政策に言えることですが、ものが決まるタイミングに近づけば近づくほど、方針を変えてもらうのは難しくなりますので、早めにインプットすることは、政策実現の鉄則です。 だから、政府会議の情報をしっかりとキャッチして、政策の動きを先取りすることは、とても大事なのです。政策を先取りする、というと官僚と仲良くなって、公表していない内部情報をこっそりもらう、ということかと思っている人もいるかもしれませんが、そんなことをしなくても、公表資料だけで分かることはたくさんあるのです。ただ、多くの人はその読み方を知らないだけなんです。 今回は、政府会議の公表資料の読み方について解説します。 ・政策の方向性が決まる前に先んじて情報を取りたい ・会議情報があるHPが見つけられない

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  • 元官僚で千正組の 千正康裕と西川貴清が「政策のつくり方」「民間からの政策提言 のコツ 」についてお届け。(発行日はあくまで目安です。) こんな方々にお勧め。1)企業や民間団体で政策や行政に関わる仕事をしている方 2)公務員や議員など政策をつくる仕事の方 3)将来、政策をつくる仕事をしたい 方 4)政策について高い関心を持たれているすべての方。
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