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ビジ選☆リーダーズ Vol.919『観察力の鍛え方』(佐渡島庸平)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
■観察力とは何か? 良いクリエイターの条件は観察力だ。人生は長い。インプットの質 が長ければ、最終的にアウトプットの質も良くなる。インプットの 質を高めるものが観察力なのだ。 良い観察では、物事に仮説を持つ。客観的に観て、状態とのズレに 気づき、仮説を更新する。悪い観察では、仮説と物事の状態に差が ないと感じ、わかった状態になる。その結果、仮説の更新が止まる。 観察は、問いと仮説の無限ループを生み出す。そのループが楽しい から創作の源になるのだ。自分で見つけてしまった問いとセットだ から、解きたくなる。これがモチベーションになるのだ。 ★ 観察を阻み、観察できない状態になってしまうのは、観察を阻む、 3つの要因があるからだ。この3つを避けることで、悪い観察に陥 ることがなくなる。 まず自分だ。観察を阻む原因は、たいてい自分にある。人は目でな く、脳で観察している。脳内で何を見ようか先に決めて、脳が見た いものを追認するような形で物を見ているのだ。 認知が先にあり、その後に観察があるのだ。つまり認知に関しては、 無意識的な行為なのだ。制御できない。その無意識的な認知を少し でも把握するのが「仮説」なのだ。 仮説を言語化し、意識すれば、無意識的な認知も少しは意識できる はずだ。観察を阻むものを理解すれば、仮説を歪めるものを理解す ることにも通じるはずだ。 既存の認知が、観察を阻害する。悪い観察は、既存の認知が更新さ れていない、既に知っていることを前提に観ている状態だ。これに 対し良い観察は、既存の認知に揺さぶりをかける行為なのだ。 ★ 観察を阻むものの2つ目は、身体・感情だ。観察は、自分自身の身 体・五感を通じて行われる。そのため、その状態によって質が大き く左右されるのだ。 観察する対象は、絶対的なものではない。観察する主体の状態次第 で大きく変わるのだ。たとえば、疲労を抱えた体と体調万全の体で は、同じものを見ても観察の質は変わってくる。 感情は、反応時間を短縮するために使われるものだ。思考をすっ飛 ばすツールなのだ。嫌なことを言われた時、ロジックを立てて怒る かどうか決めことはない。すぐに判断し、反応する必要がある。 感情が観察を阻害することがある。そんな時は、思考を一回止める べきだ。そして複数の感情を持ち、対象を見るクセをつけるように するのだ。 複数の感情があるように、観察も感情によって見るべきポイントが 変わってくるのだ。このことを知っていれば、感情を利用して、対 象を見ることができるようになるはずだ。 ★ 観察を阻むものの3つ目は脳だ。人間の脳には、何かに注目すると そこに「ロックオン」する特徴がある。注意をある一点に固定化し てしまうのだ。だから、時間と空間を同時に注目できないのだ。 対象物だけを観察して、周りとの空間的な関係性や時間軸の前後を 意識せずに判断すると観察を誤る。時間・空間のコンテクストを同 時に観察することで、対象に迫ることができるのだ。 観察を阻害する時、3つの要因、すなわち「認知バイアス=脳」「身 体と感情=感覚器官」「コンテクスト=時空間」がバグを起こしや すい。このことを意識するだけで、観察の精度は変わってくる。 この3つを総称して「メガネ」と呼ぶ。人は、メガネをかけて世界 を見ているのだ。多くの人は「自分はメガネなどかけていない」と 思い込んでいるが、メガネは絶対に外せない。 だから自分のメガネはどんなものかを理解し、それを利用すべきだ。 メガネを理解することが、観察を促進するのだ。短所が長所になる ように、メガネも武器になるのだ。

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