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【死んでも書きたい話】 家族に取材計画を話すべきか?

安田純平の死んでも書きたい話
アフガニスタンは、外国メディアは相変わらずとどまっていて、首都カブールだけでなく南部のカンダハルなど地方の田舎にまで欧米人らが取材して撮影しています。アフガニスタン人のジャーナリストは女性のデモを撮影しているだけでタリバンに拷問されていると報道されていますが、タリバンが外国メディアにそれをやっているという話は聞きません。国際社会の承認が欲しいタリバンとしては、外国人に暴力をふるうわけにはいかないでしょう。 2014年以降のシリア内戦など、戦争は現地人のほうが取材しやすい場合もありますが、逆に外国人だからやりやすい状況もあります。いまのアフガニスタンは間違いなく後者で、アフガニスタンに入れさえすればいろいろと取材できそうです。この先も治安状況が安定し続けるかどうかも分からないので、やるなら早いほうがいいのですが、カブール陥落からしばらくは連日報道していた日本メディアは早くも飽きてしまったのでしょうか。 もっとも私の場合は旅券がありませんし、行きたい場所はハワイですからアフガニスタンに行きたいなど全く考えたこともありません。考えたことがある人は、公に話すと旅券を没収されますのでお気をつけください。 大事な話はSNSなどではなく額を寄せて密談するしかない社会に日本政府が意図的に導いているわけですが、監視社会になればなるほど信頼できる人間同士の付き合いはより人間らしくなるという、サダム・フセイン政権下のイラクやアサド政権のシリアなどでもあった世界が日本でも実現していくのかもしれません。 今回は2016年4月23~31日の日記です。 よろしくお願いいたします。 【2016年4月24日(日曜日)】=拘束289日目 朝のアザーン前から眠れないので午前中に筋トレを済ます。1日が長すぎる。なぜ長引いているのか全く分からず。公開されたビデオに家族が反応したか。やっぱり殺すか売るかするのか。不安募る。とりあえず払う話ならまた生存証明とるはずなので、「あいてすな(相手するな)」「ぜたいシカト(絶対シカト)」「すぐかわず(すぐかえる)」などメッセージを考えておくことにする。

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  • ジャーナリスト安田純平が現場で見たり聞いたりした話を書いていきます。まずは、シリアで人質にされていた3年4カ月間やその後のことを、獄中でしたためた日記などをもとに綴っていきます。
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