松尾スズキの、のっぴきならない日常
/ 2021年10月8日発行 /Vol.486(2/2)
「人生に座右の銘はいらない」
読者からの相談や質問に松尾スズキが独自の視点でお答えします!
Q.創刊直後くらいから読ませて頂いていますが、初めて相談させていただきます。お読みいただき、ありがとうございます。相談というのは、好きな人ができても告白する勇気が持てない、ということです。私みたいな女に告白されても迷惑だろうと思ったり、いつか別れることを想像すると、怖くて悲しくて、だったら告白しないほうがいいんじゃないかと、思ってしまいます。女友達には当たって砕けろと言われますが、砕けるのが怖いんです。恋愛経験の少なさが原因だとは思うのですが、松尾さん、告白するコツを教えてください!(31歳、女性)
A.10年間、ありがとうございます。はげみになります。で、告白ですか? したことがほとんどないんです。私も、いきなり当たって砕けるのを恐れるくちですし。酒に酔った勢いでしか女性と付き合ったことがありません。
まずは2人きりのデートに持ち込むことなんじゃないでしょうか? デートというか、もう緊急事態宣言も明けたので、「ちょっといい店知ってるんで行きませんか?」とか? 重たくないノリがいいのでは。あ、でも、もうそんな段階はへて、で、このうえ告白するか迷っているのかもしれませんね。私は、酔った上でも告白したことがないんです。じゃあ、なぜ女性と付き合えたのかというと……酔っているので、あまり覚えてないんです。
では、そんな酒の席でどんなふうに相手に言われたら自分はグッと来るかしら、と考えてみるのですが、ひとしきり話が盛り上がったあと、ふと、独り言のように「なんか、松尾さんのこと好きだなあ」なんて言われたら、「え? え? もういっぺん言って?」ってなりますよね。やっぱり盛り上がっているときって、基本、相手のこと好きな時間ですから。「だとしたら、どうしたらいいですか?」って投げてみるのもいいと思います。そのときに、「いやー……どうと言われましても」なんて言われたら、脈がないのかなと思って、さっと話を切り替える、とかじゃないですか。その流れだと砕けないような気がします。
すいません。告白とかほんとにないんです。気がついたら一緒に自分の家にいる。気がついたら相手の家にいる。気がついたらホテルにいる。そんな不埒なお付き合いしか、なぜかできないんです。枕を交わしてみて「違うな」ってこともありますし。枕を交わしてみないことにはどうにも……。私、マグロ女がどうにもだめなんです。嘘でもいいから声を出してくれ、と思うのです。
1なんか好きだな
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