【琉球の扉】
「ん? ここは?」
目を覚ましたリュウトは、自分がどこにいるのか分からなかった。
記憶喪失になったのだろうか?
知らない部屋の知らないベッドで寝ていたのである。
なぜここにいるのだろうか?
夢から覚めたという夢を見ているのだろうか?
その部屋は懐かしいようにも見えるが記憶がハッキリとしない夢見心地の部屋だった。
テーブルの上には、天使が好きそうなお菓子やケーキが並べられていた。
「そうか、ここは
琉球の風の森に建つ別荘だ!」
宇宙から急に焦点が合ったように、記憶が蘇ってきた。
ここが夢なのではなく、今までの出来事や人生が夢だったのだ。
「そうか、あの時…」
リュウトは夢の入り口を思い出した。
琉球の森にそびえ立つ、巨大な松の木の下で瞑想していた時だった。
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