このままCOVID-19は終息？！

ドクター畑地の診察室110.2021.10.10. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います！おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者（肺癌、喘息、COPD、肺炎など）を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説＆ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信！ https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身　自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 現在、松阪市民病院統括副院長兼呼吸器センター長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け！radioを聴いてらんらんらん（lung lung lung）」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ このままCOVID-19は終息？！ もう緊急事態宣言は懲り懲りです。私が勤務している松阪市でも緊急事態宣言が出され、すべての飲食店が20時の閉店となっていました。COVID-19のパンデミックが始まって以降、三重県津市の自宅を離れて松阪市内のHOTELで1人暮らしている私としては、“緊急事態宣言が出された20時以降の食事＝コンビニ弁当”となることを意味しています。1人で食べるコンビニ弁当は味気ないものです。夜に“少し飲みに行こうかな”と思っても、居酒屋は閉まっており飲みに行けません。このような暮らしは懲り懲りだと思った反面、家では全くお酒を飲むことがない私は、緊急事態宣言中は全く飲酒しない日々が送れました。そのため運動＋禁酒の効果もあってか、この1ヵ月で-3kgダイエットすることができました。しかし、このような生活は全く味気ないわけで、どうにか早く通常の暮らしが送れるようにと毎晩のように願っていました。 ようやく緊急事態宣言が明け、緊急事態宣言前の日常生活が送れるようになりました。しかし、今までの周期から考えると、年末にかけてまた緊急事態宣言が出されるのではないかとヒヤヒヤしています。毎日100人以上のCOVID-19患者が出ている時期もありましたが、現在の三重県はというと、新規感染者は1-2桁となっています。原因ははっきりしていませんが、最大の理由は“ワクチン接種”ではないのかと考えています。2回のワクチン接種した人が全人口の60%を超え、ワクチンが接種した人がCOVID-19にかかりにくくなった事は事実です。 4月以降、我々の病院でPCR検査行い、COVID-19陽性となった患者さんは135名いました。そのうち元々のいわゆる“武漢株”のCOVID-19感染者はたったの2名しかいませんでした。変異株の最大の流行株は“デルタ株”であり、今年の8月以降のCOVID-19感染者はほとんどがデルタ株でした。デルタ株の感染者はなんと88名もみえました。 このデルタ株ですが、今までのCOVID-19よりも他人に感染しやすく、さらに重症化しやすいことが最大の特徴です。デルタ株以前は“ワクチンさえ接種していればCOVID-19に罹患しない”と思っていましたが、ブレイクスルー感染などが取り沙汰されるようになり、確かにワクチン接種者でもデルタ株に罹患する人が出てきました。しかし経験を踏まえて言わせていただくと、デルタ株に罹患している患者さんは圧倒的にワクチン非接種者であり、またワクチン接種者で罹患した感染者はほとんど軽症で済んでいます。なんといってもワクチンの効果は絶大です。数ヶ月すると抗体は低下するとはいえ、他の免疫機能が持続しており、罹患しても軽症で済むわけです。