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高野孟のTHE JOURNAL Vol.519 2021.10.11
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1120》
日本相撲協会と横綱審議委員会は白鵬への差別扱いを止
めろ/偏狭な外国人差別やヘイト攻撃がこの国を衰弱さ
せる!
【2】《CONFAB No.519》
閑中忙話(10月3日~9日)
【3】《CLIPBOARD No.001》
岸田政権発足直後の世論調査/最初から1年前の菅政権
より支持されていないという不幸な出発
【4】《FLASH No.431》
岸田文雄が「宏池会」の看板を投げ捨てて手にした総理
総裁の座/日刊ゲンダイ10月7日付「永田町の裏を読
む」から転載
【5】《SHASINKAN No.451》付属写真館
■■ INSIDER No.1120 2021/10/11 ■■■■■■■■■
日本相撲協会と横綱審議委員会は白鵬への差別扱いを止
めろ/偏狭な外国人差別やヘイト攻撃がこの国を衰弱さ
せる!
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横綱白鵬が引退して年寄「間垣」を襲名するについ
て、日本相撲協会が「大相撲の伝統文化や相撲道の精
神、協会の規則・ルール・マナー、相撲界の習わし・し
きたりを守り、そこから逸脱した言動を行わないこと」
などとする異例の誓約書に署名することを強要したとい
うニュースほど、近頃不愉快なものはない。
2位の大鵬を大きく上回る歴代最多の45度の優勝を果
たし、横綱として務めた14年間に899勝、それ以前か
らの通算で1187勝を上げた「まさに不世出の横綱」(東
京新聞連載、1002「無双の横綱」)である。しかもその
14年間には、角界に八百長疑惑だ内紛だ何だとスキャン
ダルが相次いで桟敷に閑古鳥が鳴くかと思われた時期も
あり、そこを一人踏ん張って支えてくれたのが白鵬では
なかったのか。特別表彰状でも授与して感謝を表すなら
ともかく、「これに違反したら年寄資格も剥奪するから
な」と脅迫するに等しい誓約書に署名させるなど、狂気
の沙汰である。
相撲は、寺社に奉納される古来からの「神事」であ
り、ヤクザが仕切る江戸時代に隆盛した「見世物興行」
であり、また明治以降になると富国強兵策の一環として
推奨された青少年の健全なる「スポーツ」でもある。こ
れはどう考えても折り合いがつかないアンビバレントな
3次元方程式で、さあて、相撲協会が言う「伝統文化や
相撲道の精神」とは具体的には何のことなのか。どうも
それはとんでもなく崇高なるものであるらしいが、八角
理事長はじめ親方衆の一体誰がそれを忠実に体現してい
るのか。
●星野智幸の言説に共感する
「文壇随一の好角家」と形容される作家の星野智幸
は、「サンデー毎日」10月17日号で「ヘイトと戦った第
69代横綱・白鵬」を寄稿していて、私は深く共感する。
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