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【Vol.399】冷泉彰彦のプリンストン通信『岸田演説から経済政策を読み解く』

冷泉彰彦のプリンストン通信
「大谷選手への敬遠策、人種差別か二刀流妨害か?」  MLBはポストシーズン(PS)戦が佳境を迎えており、レギュラーシー ズンについては、既にやや古い話になります。ですが、シーズン終盤におけ る大谷翔平選手に対する、各チームの四球攻勢については、このまま放置し ておいていいものか、ちょっと引っかかっています。  というのは、明らかにPS進出が「かかっていない」とか、そもそも、そ の試合の勝敗を左右する局面でもないのに、大谷翔平選手が申告敬遠を含め て、驚くような率で四球攻勢をかけられたという問題があるからです。  私は、日本にいた時からフジTVで集中的に中継のあった1978年以来、 そしてアメリカに来てからはかなり集中的にMLBの試合は見続けています が、ここまでの四球攻勢というのは、故ハンク・アーロンの本塁打記録更新 がかかっていた2007年のバリー・ボンズ選手のケース以来だと思います。  さて、今回の四球攻勢ですが、目的は明確です。大谷選手に本塁打王(ホ ームランキング)を取らせたく「なかった」ということです。ちなみに、大 谷選手と本塁打王を争っていたペレス捕手のロイヤルズ、ジュニアとシーメ ンを擁したジェイズの2球団であれば、自球団の選手にキングを取らせたい という動機があると理解できます。  ですが、それ以外のチームも四球攻勢をやった、これは要するに大谷選手 にキングを取らせたくなかったわけです。どうしてなのでしょう?  原因としては2つが考えられます。 1)二刀流の大谷選手にキングを取らたくない。具体的には、投手と打者・ 走者としての貢献で、セイバー・メトリクスからするとMVP「当確」であ るならば、加えて「キング」まで取るのは強欲であり、他の選手に取らせた い、か、あるいは、二刀流が大成功すると選手会として30球団の「レギュ ラー枠」が確実に1つ減るわけで、選手会として本音の部分では二刀流を快 く思っていない。 2)コロナ禍の中で、一部の保守派などに漠然として「アジア系への敬遠ム ード」がある中では、大谷選手にそこまでの名誉の独占をさせたくない。  という2つです。(続く)

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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