松尾スズキの、のっぴきならない日常
/ 2021年10月15日発行 /Vol.487(2/2)
「人生に座右の銘はいらない」
読者からの相談や質問に松尾スズキが独自の視点でお答えします!
Q.結婚して13年、主人の自慰行為を初めて見てしまいました。ギャル系のアダルトビデオでした。ショックというよりも女としての自分の終わりを感じています。主人は言い訳のように「男はジジイになっても、年齢に関係なく自分でするし、オナニーは別腹」と言ってましたが、そういうものなんでしょうか……。(43歳、女性、主婦)
A.そういうものです。オナニーするとき自分の奥さんを想像するくらいなら、いっそセックスをします。そこは許してあげてください。相手がギャル系だろうが、男の娘であろうが、頭の中は自由です。そこがアナーキーであるほど現実をきちんと生きられるわけです。というか「旦那がオナニーをしているかもしれない」という空気には神経を尖らせ、近づかないようにしてあげてください。1回のオナニーが、1回の浮気を制しているのです。私は稽古帰りのタクシーの中で、いろいろなYouTubeとともに、無料エロ動画のサンプルを音を消して観ているのです。この前、寝室でスマホの操作を間違って、一瞬、過去に見た無料動画の「声」が流れるという事件がありました。なんなんですか、あのシステム。誰が得するんですか? FANZAの方角に向かって、「ころすぞ!」と叫びたい気分になりました。
Q.箸の持ち方とか名刺の交換方法とか、世の中にはたくさんの常識がありますが、正直、あまり意味を感じません。箸の持ち方なんて、メシが食えればいいわけだし、名刺なんて相手とこちらの情報が交換できればいいわけですよね? それでも今だに子供が生まれれば、箸の持ち方を教えるし、新入社員研修では名刺交換の仕方を教えられます。松尾さんから見て、世の中にあふれるこういった常識には、どんな意味があると思いますか?(27歳、男性、求職中)
A.はるか昔の若い頃、名刺交換マナーのビデオに出演したことがあるのを思い出しました。相手の俳優さんは今村昌平の映画に、そこそこ良い役で出ていた人で、やっぱり俳優の世界って厳しいもんなんだなあと思ったことを覚えています。
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