言いすぎか!!　弁護士 北村晴男　本音を語る　Vol.１２７

━＝━＝━＝━＝━＝━＝━＝━＝ 言いすぎか!! 弁護士北村晴男 本音を語る ━＝━＝━＝━＝━＝━＝━＝━＝ Vol.１２７ ２０２１．１０．１５ ■□■…………………………………… 目次 ……………………………………■□■ 　【１】　『橋下さん！　なぜ中国が泣いて喜ぶことばかり言うの？』 　【２】　『北村晴男の"素"』 　【３】　『番組出演予定 　　　　　　イベント情報』 …………………………………………… 　【１】　『橋下さん！　なぜ中国が泣いて喜ぶことばかり言うの？』 …………………………………………… 中国の狙いは、わかっている フランス国防省傘下の研究機関、軍事学校戦略研究所（IRSEM）が「中国の戦略に関する報告書」を発表。産経新聞がその一部を報じた（10月5日付）。 在外華人（外国に居住する中国人）を使った共産党の宣伝工作や国際機関への浸透、インターネットの情報操作などを分析。その結果、導き出した報告だ。 この報告書によると、中国は日本やフランスといった潜在的な敵の弱体化を狙い、沖縄や仏領ニューカレドニアで独立運動を煽（あお）っている。 中国が尖閣、沖縄を自国の領土だと主張する以上、日本は潜在的ではなく、現実の敵だ。 中国にとって沖縄への関与は、日本や在日米軍を妨害する意味を持つ。一部の沖縄住民が「日本政府への複雑な気持ち」や「米軍基地への強い反発心」を持っており、そのために「沖縄は中国にとって利用しやすい環境にある」としている。 どういう形で煽っているのか。独立派を招いて学術交流を促したり、中国人が米軍基地近辺で不動産投資を進めるなどして、独立を煽っているという。 さらに、憲法９条改正への反対運動、米軍基地への抗議運動を支援しているという。 これらの目的はすべて、日本の防衛力拡大を阻止することにある。 中国による浸透工作というのは、関心のない人にとっては、「夢物語」や現実味のない「陰謀論」のように聞こえるかも知れないが、間違いなく現在進行形で行われている。 それとの関係で、最近、とても気になっていることがある。それは、発信力のある橋下徹さんの発言だ。 靖国神社参拝で、歪曲発言？ 橋下さんは精力的にワイドショーに出演して自説を述べているが、最近、橋下さんの発言が、ことごとく中国共産党を喜ばせる内容になっているのだ。 直近では、高市早苗さんと出演したテレビ討論番組（『日曜報道 THE PRIME』フジテレビ9月26日）で靖国神社参拝について、高市さんに「総理が靖国参拝するとなると、中国が貿易や商取引に対して、ああでもない、こうでもないと言ってくる。中小企業の利益が害されるという時にあえて政治信条を貫いて行くのか？」と質問。 「一人の日本人として信教の自由がございます。内閣総理大臣という立場は重いと思っているんですが、世界のそういう風潮を変えたい。国家のために命を捧げた方にも敬意を表してますから。外交問題にすべきじゃないです」と切り返された。 中国の非難に対応して政治問題化させることこそが、中国を1番喜ばせる。「中国が文句を言えば参拝をやめる」という流れを絶対に作ってはいけない。 私が見る限り、高市さんに完全に論破されていた。 ところが、10月3日の『日曜報道 THE PRIME』放送で、今度は甘利明幹事長と対談すると、「高市さんは『中国との取引がなくなってもかまわないから、靖国神社に参拝する』と言っていたので、そこは心配だった」と、高市さんの発言を大きく歪曲（わいきょく）して引用。 この発言に、ネット上では批判が殺到。私もそれにリツイートした。「これはマジやばい！」。そこまでして高市さんを貶（おとし）めようとする姿勢に驚いた。 発言が180度変わった 元々、橋下さんは茶髪の弁護士時代、靖国神社参拝について今とは正反対の主張をしていた。2005年のたかじんさんの番組「そこまで言って委員会」（読売テレビ）では、「中国に言われたから靖国参拝をやめるのはおかしい」と崔洋一さん（映画監督）や田嶋陽子さん（元大学教授）を相手に鋭く切り込んでいた。 だが、いつの間に考えが変わったのか。 2008年の大阪府知事時代、上海万博の視察目的で、初めて中国を訪問（3月）。10月には上海と南京、11月には北京と天津と、立て続けに3度も中国を訪問。 朝日新聞に「外交に目覚めたよう」「橋下徹知事が中国シフトを強めている」「ハイペースぶりが際立つ」と報じられている（2008年11月20日付）。