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高野孟のTHE JOURNAL Vol.520 2021.10.18
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1121》
さあ、4年ぶりの総選挙/ボロが出ないうちにやってし
まおうという岸田の姑息をどれだけの国民が見抜くの
か?
【2】《CONFAB No.520》
閑中忙話(10月10日~16日)
【3】《CLIPBOARD No.002》
台湾の防空識別圏
【4】《FLASH No.432》
衆院選1週間前の山口と静岡の参院補選が岸田新政権の
最初の分かれ道/日刊ゲンダイ10月14日付「永田町の裏
を読む」から転載
【5】《SHASINKAN No.452》付属写真館
■■ INSIDER No.1121 2021/10/18 ■■■■■■■■
さあ、4年ぶりの総選挙/ボロが出ないうちにやってし
まおうという岸田の姑息をどれだけの国民が見抜くの
か?
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菅義偉首相・二階俊博幹事長の体制のまま差し迫る総
選挙を迎えたら壊滅的敗北は免れないという状況で、自
民党にとっては3つの選択肢があった。
●初めから失敗している岸田政権
上策は、大宏池会の復元による自民党本来のスイング
効果の全面発露であったろう。2000年4月の森喜朗によ
る密室談合による政権簒奪から始まって(途中に麻生政
権と民主党政権の計4年間を挟むけれども)小泉純一
郎、安倍晋三、福田康夫、再び安倍と、清和会政権ばか
りが続き、しかも第2次安倍政権の7年8カ月を通じて
は保守の則を超えてジリジリと右翼方向に座り位置をず
らしてきた。この安倍的な右翼シフトの剣呑さと鬱陶し
さを一気に払拭することがここでの自民党再生の鍵であ
るはずで、そのためには、岸田派46名と麻生派55名を以
て宏池会を蘇らせ、それと竹下派53名の連携を実現して
細田派95名を圧倒し、軽武装・経済重視の保守本流リベ
ラル路線への回帰を演出すべきだった。
ところが岸田文雄には、老害=麻生太郎を引退に追い
込んで宏池会を蘇生させるだけの組織力量はなく、その
ため安倍に擦り寄り、そのお仲間の甘利明に頼って総理
総裁の座に手を届かせるしかなかった。そうすると、安
倍流の右翼路線に調子を合わせるしかなくなって、「防
衛費のGDP比2%以上を念頭に増額」とか「相手領域内
で弾道ミサイル等を阻止する能力の保有」(という、安
倍の「敵基地攻撃能力」論を少しマイルドにした言い換
え)とか、およそ宏池会的な価値観からかけ離れた公約
を掲げて総選挙に臨む羽目になった。この矛盾が、遅か
れ早かれ、岸田政権を失敗させることになろう。
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