■おうちストレスをためない習慣
「息が切れる気がする」「心臓がドキドキする」「体が少し重い」
「疲れが溜まっている気がする」コロナウイルスの流行をきっかけ
に、これらの症状を訴える人たちには共通点がある。
それは、以前より「家にいる時間」が増えたことだ。疲労回復やス
トレス発生のメカニズムに基づいて考えると「家にいる」ことは疲
労の回復につながらない。
たとえば、休日は昼まで寝て過ごすという人がいるが、過剰な睡眠
は逆にストレスだ。ソファに寝転がってテレビやSNSを眺めてい
のことも、休んでいるつもりでも実際にはストレスを溜めている。
外出や買い物が減って食事が簡素になり、疲労回復に必要な栄養が
不足したり、ストレスを高める成分を摂取してしまうこともある。
こうして休息の場であるはずの家でストレスを溜めてしまうのだ。
実際、週末ずっと家で休んでいたはずなのに、月曜日から体が重く
疲労感があるということがある。それは、おうち家時間がストレス
を溜める時間になってしまっているからだ。
★
家にいることで慢性的なストレスを受ける。疲労には、疲労回復ホ
ルモンであるコルチゾールで対処するが、やがて枯渇する。すると、
ストレスが緩和できなくなり、身体、精神、神経的疲労が生まれる。
つまり「おうちストレス」を溜めないためにできることは「ストレ
スを減らす行動」と「コルチゾールの貯蔵量を増やす行動」をする
ことだ。
特に効果的なのが、手軽で効果が大きい「食習慣の見直し」だ。コ
ルチゾールの生成を促すなど、ストレス解消効果のあるリカバリー
物質を摂るための方法を実践するべきだ。
★
コルチゾールの元となるエネルギーは、細胞内にあるミトコンドリ
アで作られる。それはATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる物
質だ。すべての生物は、これが作るエネルギーで活動している。
このミトコンドリアの回路を活性化させ、ATPが作られる速度を
速めるのが、ビタミンBやミネラルなどの栄養素だ。インスタント
食材中心の食生活では、これらの栄養素が不足する。
ビタミンが摂れる食べ物は、豚肉、ネギ、ニラ、ニンニクなどだ。
特にオススメがが、ブロッコリーなどのアブラナ科の食べ物だ。ビ
タミンが豊富で、肝臓の解毒能力を高めてくれる。
イミダゾールペプチドは疲労の原因である活性酸素を抑える。渡り
鳥の羽が疲れないのはこの物質のおかげだ。カツオやマグロなどの
回遊魚に多く含まれている。
タウリンはミトコンドリアの機能を改善してくれる。加えて肝臓の
機能も改善してくれる。シジミにはタウリンが豊富だ。他にタコや
イカにも多く含まれている。
★
腸は食べ物からストレスを受けている。腸は食べ物から体に良いも
のだけを吸収し、不要なものをブロックする。そのため、腸の機能
が落ちると悪いものが体に入ってきてしまう。
腸内の環境をよくするには、野菜、果物、海藻類などの食物繊維を
しっかり摂る。腸内の善玉菌の餌になるオリゴ糖もお奨めだ。玉ネ
ギ、ゴボウ、アスパラガス、ヨーグルトやハチミツにも含まれる。
腸の負担を減らすには、水分が欠かせない。腸が脱水状態になると
便が硬くなり、腸内に滞留する時間が長くなる。水分を摂って便を
柔らかくして、外に出やすくしてあげるといいだろう。
魚の油、アマニ油、エゴマ油、オリーブオイルなど、オメガ3とい
われる油は炎症を抑える。反対にオメガ6やサラダ油などの植物油
は腸の炎症を増やす。腸内環境が悪い人は、オメガ3を摂るべきだ。
家にいる時間が長いと、インスタント食材やデリバリー料理に頼り
がちだ、しかし、時には時間を取り、自分の体をいたわる献立を考
えるべきだ。これが心身ともにリフレッシュにつながるはずだ。
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