存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。
【目次】
●今週のニュース 中露海上合同演習で米とのつばぜり合い、新型ミサイル防衛システム「アエロスタット」 ほか
●NEW CLIPS 中露合同海上演習、北朝鮮の今、ほか
●NEW BOOKS 北朝鮮の軍事力レポート ロシアが軍事力行使に踏み切るとき ほか
●編集後記 編集前記
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【今週のニュース】中露海上合同演習で米とのつばぜり合い、新型ミサイル防衛システム「アエロスタット」 ほか
・バール地対艦ミサイルシステムの射程が500kmに?
TASS、2021年10月19日 <
https://tass.ru/armiya-i-opk/12697011>
TASS通信が軍需産業筋の談話として伝えたところによると、3K60バール地対艦ミサイル用に開発された新たなミサイルの発射試験が実施され、その射程距離は500km以上に及んだ。現在、バールから発射できるのはKh-35(射程120km)またはKh-35U(射程260km)のいずれかだが、射程500kmとなるとKh-35Uと比べても倍増ということになる。
問題のミサイルがどのようなものなのか、既存のバール用ランチャーに収まるのか等については言及がなく明らかでない。
ただ、北方領土の国後島にはバール装備部隊が既に展開していることを考えると、その長射程化は日本としても無関係ではあるまい。特に、第147号で取り上げたロシアのオホーツク防衛戦略(
https://note.com/cccp1917/n/n6dc472a19750)には大きく影響を及ぼしそうである。
バスチョン用の大型で高価なヤホント超音速対艦ミサイル(対艦モードでの射程は300km)に加え、比較的安価な低速ミサイルを広範囲に渡って集中投入させることができるならば、ロシア軍が有事に(日米の海上・航空優勢下にある)千島列島で戦う上での柔軟性は大きく高まるであろうと予想できるからである。
・日本海での中露合同海上演習「海上連携2021」をめぐるつばぜり合い
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