■■ 2021/10/20 ■■
兵頭正俊の優しさ出前
~3分でマスメディアとは違ったステージに招待します
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内容のレベル:中高級者向け
発行人 :兵頭正俊
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◆ 台湾と日本の安全保障上の同一性 (その3) ◆
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ここで蔡英文が指摘していることをまとめておく。これ
は第三次世界大戦の発火点といわれる国の最高責任者の
コメントで、最大限に重視されるべきだ。
1 中国が台湾への領土的野心を放棄したことは一度も
ない。
2 中国は、2桁台の軍事投資を長く続けてきた。現
在、台湾海峡とその周辺海域での拡大主義的冒険主義的
行動をとるようになった。
3 中国は、平和的解決へのコミットメントよりも強硬
路線をますます重視するようになった。これは中国の独
裁者が国内の不人気・民衆の怒りを外部にむけて逸らす
ためであろう。
4 2020年以降、人民解放軍(中国軍)の航空機と
船舶は台湾海峡周辺での活動を積極化してきた。台湾南
部の防空識別圏に連日のように侵入を繰り返す。台湾と
中国大陸間の(暗黙の境界とされる)台湾海峡の中間線
を越えることもある。その度に習近平評価は高まるので
ある。
5 台湾は圧力に屈しないが、欧米の国際コミュニティ
からの支持を動員できても、冒険主義に走ることはな
い。地域の安全保障を維持することが、台湾の包括的政
策の重要な一部であり続けると言い換えることができ
る。
6 対話が政治的前提をつけずに、平等な立場から試み
られるのであれば、台湾は中国との対話に開放的である
路線を今後も維持していく。ここで蔡英文がつけた条件
は重要である。蔡英文は「政治的前提をつけずに」「平
等な立場から試みられる」ことを強調している。
7 台湾は安定を確保するために他の地域アクターとも
協力している。
8 台湾を守れなければ、それは、台湾住民にとって壊
滅的な問題となるだけでなく、この戦後70数年にわた
って、この東アジア・インド太平洋地域の平和と桁外れ
の経済成長を支えてきた安全保障構造が覆されることに
なる。
わたしたちは常に台湾を注視し、守っていかねばならな
い。それは日本を守ることと同義であるから。
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