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咽の違和感

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室112.2021.10.24. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 現在、松阪市民病院統括副院長兼呼吸器センター長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php *************************************** 咽の違和感 我々の呼吸器内科には色々な悩みを抱えた患者さんが来ます。検診の胸部レントゲン異常で来院される患者さんや息切れを訴えて来院される患者さん。発熱を訴えて来院される患者さんや咳嗽を訴えて来院される患者さんなどと悩みは様々です。そのような中でしばしば経験するのが、“喉がつかえるような気がする”“胸が圧迫されて咳が出るような気がする”など、喉の違和感を訴えて来院される患者さんが非常に多くなってきたような気がします。 まずそのような患者さんを診察したら、私たちはどうするでしょうか。喘息のような肺雑音が聞こえていないのかどうか聴診をし、呼吸機能に異常が無いかどうか呼吸機能検査をし、異常な陰影が無いかどうかCTやレントゲンを撮影し、喉に異常が無いのかどうか直接喉を観察します。それでも異常がなかった場合で訴えが強い時には、心電図や心エコーをチェックして循環器内科的な疾患がないのかどうか、あるいは消化器内科の先生に頼んで胃カメラをしてもらい、食道に異常が無いのかどうかをチェックします。しかしどれだけ検査しても異常が無いことがあります。 最近、このような症状を訴える患者さんが増えています。身体的な原因が無く、喉から胸のつかえ感を訴える人、喉の異物感を訴える人、喉のつかえからの咳嗽や胸部付近の圧迫感を訴える人が増えてきている印象があります。このような症状は軽度の症状も含めると、約半数の人が経験していると言われています。この文章を読んでいる皆さんの中でもこのような症状を1度は経験された事があるのではないでしょうか。私たち内科医は、このような症状のことを“ヒステリー球”と言います。ヒステリー球の最大の特徴は、喉の異物感で、40代-50代の女性に多く認められます。 ヒステリー球の原因は様々で、症状の捉え方も人によってまちまちですが、仕事や私生活で強いストレスを感じ、自律神経の乱れからそのような症状が現れると言われています。

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