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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第450号2021.10.19配信分
●成功体験は蜜の味。人間上手く行っている時には変われない
問題の根は、戦後復興期の飛躍をもたらした社会システムにある、と思う。
国の根幹を成す仕組みが時代の変化に対応できなくなっている。21世紀も20年
が過ぎた今、随所に見られる制度疲労が音を立てて露わになりつつある。
何度も書くように私が運転免許を取得したのは1970年。奇跡的だと世界中の
注目を集めた高度経済成長のピークであり、6年前の第18回東京オリンピック
1964辺りから日本社会は目に見えて変化した。私はその移り行く様を肌感覚で
記憶している。
まだ生まれてもいない頃の話をされても……そんな世代が大半を占める現代
に、嫌がられるのを承知の上で繰り言を語り続けている。まったく己の心理を
精密に分析したくなる不可解さだが、長く生きると多くの失敗から学ぶことが
多くなる。変えられるものなら微力を尽くしたい。そんな思いが根底にあるの
は本当だ。
皆さんが心に抱く目下の関心事は、今ある豊かさの先。”豊かさの実感”に
あるのではないか。戦後復興期から高度経済成長を経てオイルショックが発生。
資源に恵まれない列島を揺るがす資源エネルギー問題が突きつけられたところ
で、打開策としての技術力(=マンパワー)に救われた。
それまでの『皆で揃って豊かになる』は、主に物質的な豊かさの分配を意味
し、1980年代中頃にその格差はほとんど意識意識されないレベルに収まった。
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