1. コラム「タカオカ的ナウい日常」
─ バブル世代の生き残りが日々の生活の中で面白いと思ったモノやコトを独断で綴っていくコラムです。イマドキとは微妙にズレてる観点を前面に出していきたいと。それでは「おじさんLINE」全開で語っていきます!
vol. 87 『ラララ』
煮詰まった時には漫画の世界に没頭してこれでもかと気分転換する高岳です。
そんなわけで久しぶりに漫画の話を!
コラムのタイトルの『ラララ』はそのまま今回お話する漫画のタイトルでもあります。
ラララ - ヤングガンガン - SQUARE ENIX
これがね、もうめちゃくちゃおススメで。
自分が読んで面白かったというだけじゃなく誰かにおススメしたくなる作品なのです。
リストラされた主人公の男子がヤケ酒くらってるどさくさに紛れて偽装結婚?することになった年上美女。スタイル抜群、聡明な女医だけど、なぜか家にいる時は一糸纏わぬスッポンポンで…
とまぁ、こう書くとよくありそうな話の奇妙キテレツ版かなと思うかもしれませんが(実際僕も始めはそう思ってました苦笑)、これが読み進むに連れてグイグイと引き込まれて。
結婚の問題はもとより、親の問題、親族の問題、教育の問題、シングルマザー&ファザーの問題、はては虐待や児童遺棄、子育ての現実に保育の問題などなど、現代の家族を取り囲む様々な難題がこれでもかというくらいに真正面から取り上げられていきます。
問題の捉え方のシビアさからてっきり女性漫画家だと思ったら作者の名前は「金田一蓮十郎」。あら、男性かとおもいきやこれはペンネームでやはり女性漫画家さんでした。
TVドラマなどではこの手の難題を取り上げてもそこはドラマならではのミラクル系で乗り越えたり、強引に心温まる展開にしたりしますが、『ラララ』ではあくまでガチンコ。
もちろん作者ならではのポップな作風のなかであくまで軽妙なタッチで描かれてはいるのですが、そこに「逃げ」はなくあくまで正面から向き合っていきます。
僕自身、上に挙げた家族の問題の幾つかについては体験しており、なおさらに本作品には感じ入る場面がありました。しかも一つや二つでなくたくさん。(特に後半は怒涛のごとく!)
あと様々な伏線の回収もお見事なので最終話まで読むと気持ち良くなること請け合いです。
名言も多い本作品の中から特に気に入っているものを一つだけ挙げておきますね。
「保育士が世界の均衡を保っている」
おっしゃる通り!
女性はもとより特に男性、独身の男性にも既婚の男性にもオススめです!
2. メイン「銀行とP&Gとライブドアとラムチョップ」
─ 日本で唯一の数奇なキャリアを歩んできた筆者が、実際に見て、聞いて、体験した「ここだけ」の話の数々。単なるゴシップに終ることなく、それぞれの会社への愛情を込めて、皆さんのお役に立てるお話を綴れればと。
『飲食店とDX 〜 システムとサービスの違い』
10月21日に飲食店の発注業務からFAXを無くしデジタル化するためのサービス 『SMART REQUEST』 を発表しました。
プレスリリース
日経記事
今回は本サービス開発の背景となった中小飲食店のオペレーションの現実(特に発注業務)、そして巷で「流行り」のDXなるものがいかに飲食店から縁遠いものかについて論じたく思います。
飲食店を舞台に記しますが、いろんな業種・職種で実は起こっていることかと。
飲食店の本業は言うまでもなく「美味しい料理をつくってお客様をもてなすこと」です。
この「もてなす」の中にはコミュニケーションはもとよりお店の雰囲気や空間そのものも含まれます。だからこそ飲食店にはシェフ・ホール・店舗の3つが少なくとも必要なわけです。(もちろん小さなお店ではシェフがホールを兼ねているところもあります)
では飲食店のスタッフが「美味しい料理をつくってお客様をもてなすこと」だけをやっているでしょうか?
店舗がオープンしている時間の前後の清掃や片付けはもちろん、集客のためのビラ配りやグルメサービスとの契約・交渉、アルバイトの募集やシフトの管理、請求書の管理や月末の振り込み、その他もろもろの事務作業で1日あたりの平均にしたら数時間は使っていると言っても過言ではありません。店舗が営業している時間に加えて、です。
いまは様々なデジタルツールがあるからそれを使って効率化すればいい。
そんな議論はもう長年にわたってされているわけで、昨今は「飲食のDX」という言葉がバズワードのようになっています。
でも日本全体で50万店あるといわれる飲食店の、さらにその80%とも言われる中小の飲食店で、デジタルによる効率化は驚くほど進んでいません。
例えばつい最近のこの調査。
見てのとおり、そもそもデジタルツールに興味のない飲食店経営者がなんと多いことか!
飲食店経営者のDXに対する興味・関心と導入状況の実態調査(2021年6月実施)
不思議と思いませんか?
「飲食のDX」なるものがバズワードになっているのに、当の飲食店経営者はデジタルツールにさほど興味がない。なんなら「DX」と聞いても「ん?なに、デラックスって?」になる。なんなのでしょう、このギャップは。
はっきり言います。
「飲食のDX」なんてのはツールを売る側のセールストークであり、売りつけられる飲食店経営者にさっぱり響いていない。
もちろん全員が全員ではありません。
でも上記のデータは厳然たるFACTです。
時にはDXを売る側の方が飲食店の経営者の意識の低さなるものを指摘したりします。
でもそんなもんは大きなお世話です。
そもそも飲食店は「美味しい料理をつくってお客様をもてなすこと」に集中したいのであり、デジタルの勉強をすることが本業ではないのです。
さて上記のようなギャップの象徴がいまだほとんどの中小の飲食店にあるFAXです。
もはや通常のビジネスのシーンでFAXを使うことは少なく、若い世代では使ったことがないという方も結構いるのではないでしょうか?
しかしながら飲食店ではいまだ毎日のように使われています。
店舗営業後の発注業務で。
僕がウルトラチョップを開業した時、驚いたことの一つがこのFAXによる発注です。
これはどなたでも想像できると思うのですが、紙のFAXでの発注には
・記入ミスによる誤発注
・それによって起こる品切れや在庫過多
・通信不良による発注失敗
・発注者と納品受取者が違う場合の確認ミス
・請求書と発注書・納品伝票の照会ミス
・発注者が店舗営業後に毎晩使う時間(で、終電に乗り遅れたり)
・発注漏れをした場合FAXの前に戻らなくてはならない
などなど。
ちなみに発注を受注する卸さんのほうも、届いた届いてないやら、間違えたやら、FAX紙から受注システムに手作業での転記やらでろくなことがないです苦笑
FAXなんかやめてメールにしたらいいじゃん。
僕もそう思いました。
でも考えてみてください。
営業後の疲れた状態で「お世話になっております。ウルトラチョップのxxです」から始まるメールを卸さんごとに書いて、そこからやり取りする面倒くささを。
ましてや発注したアイテムや数量をエクセルで管理、なんてことは、本当にもう無理なのです。
疲れる上に毎晩終電逃しちゃう。
FAX紙にあらかじめ印字してあるアイテムにチェックボックスと数量入れて送信しちゃうほうが頭にも体にもはるかに負担がすくないわけです。
で、これが何十年も続いてきたと。
もちろんその間にいわゆる受発注システムなるものは幾度も開発されてきました。
上記にあげたFAXの問題点を解決できるシステムです。
しかし相変わらず無くならない中小飲食店のFAX。
なぜでしょう?
大きくは二つの理由があると考えます。
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