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言いすぎか!!
弁護士北村晴男 本音を語る
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Vol.128
2021.10.30
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目次
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【1】 『学校も教育委員会も助けてはくれなかった
爽彩さんを死に追いやったのは、誰か』
【2】 『北村晴男の"素"』
【3】 『番組出演予定
イベント情報』
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【1】 『学校も教育委員会も助けてはくれなかった
爽彩さんを死に追いやったのは、誰か』
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娘の遺体は凍っていた
『娘の遺体は凍っていた』(文藝春秋)。文春オンライン特集班が旭川の女子中学生へのいじめ事件をまとめ、今年(2021年)9月10日に出版された本を読んだ。いたたまれない事件だ。
今年2月13日の夕方、氷点下17℃以下の中を軽装で自宅を出たきり行方不明となり、38日後の3月23日、市内の公園で凍った状態で発見された廣瀬爽彩(さあや)さん。この事件は、当時、ワイドショーでも取り上げられたので、ご存じの方も多いと思う。
亡くなった際の詳しい状況がわからないため、自殺とは断定できないという。だが、SNS上で知り合っていろいろと悩みを打ち明けていた相手など複数の友人に、外出の直前に「今日死のうと思う」と連絡をして、その後携帯がつながらなくなっている。状況から、自殺の可能性が高いと思われる。
帯に「彼女を死に追いやったのは、誰か?」とある。この文字が目に焼き付く。
彼女へのいじめ自体は陰湿かつ悪質で、想像を絶するほど酷(ひど)いものだが、いじめがあることを学校に訴えた後の学校と教育委員会の対処が情けないほど酷い。
この時点で大人たちがしっかりと対応していれば、爽彩さんは死ぬことはなかったのではと悔やまれる。
学校近くの公園で、いじめグループと出会う
爽彩さんは、小学生のときに「将来は法務省で働いて正義の味方でいたい」と言っていたそうだ。「弁護士はどうなの?」と母親が聞くと、「悪い人の味方はしたくない」と答えたという。正義感の強いお子さんだった。
その子がいじめの対象になった。
爽彩さんは亡くなる2年前の2019年4月、地元の中学へと進学した。学区の関係で同じ小学校から一緒の中学校へ進んだのは数名。クラスになかなか馴染めなかったという。
中学校近くにある児童公園で、爽彩さんは塾に行く時間まで勉強をしたり、小説を読んだりして過ごしていた。そこでいじめグループと出会った。付近の小中学生のたまり場だったという。
当初は同じ中学の2学年上のA子と仲良く遊んでいた。だがA子の友人のB男、近隣の別の中学校に通うC男がグループに参加してくると様子が変わった。辛(つら)いいじめが始まったのだ。
母親が「娘の様子がおかしい」と気づいたのは、爽彩さんが中学校に入学した直後だ。4月に1回、5月に2回、6月に1回、担任の教師に「イジメられていますよね? 調べてください」とお願いしている。5月には、「ママ、死にたい」と、母親に洩らしたという。
だが担任の教師は「あの子たち(A子ら)はおバカだからイジメなどないですよ」と言って取り合ってくれなかったという。
外に出かけることや勉強が好きな子が、急に学校にも塾にも行けなくなり、やがては自分の部屋に引きこもる。誰が見ても明らかに別人のように変わってしまい、時々、部屋からは『ごめんなさい、ごめんなさい』と独り言が聞こえてきたという。
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