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世界の中の日本、アフガンからの脱出 PART2

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室113.2021.10.31. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 現在、松阪市民病院統括副院長兼呼吸器センター長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php *************************************** 世界の中の日本、アフガンからの脱出 PART2 以前もお話ししましたRさんのアフガン脱出その後です。ある日を境に突然Rさんと連絡が取れなくなりました。何度メッセージを送っても全く返ってきませんでした。Rさんとその家族に何かあったのではないのかと非常に心配をしていました。 自衛隊機での脱出が不可能となりましたが、その後も我々は何もしていなかったわけではありません。その間もRさんと連絡を取りながら、外務省中東第二課やアフガニスタンからドーハに移転した在カタール日本大使館と連絡をとって、何とか脱出の方法がないのかと交渉を重ねていました。結論として得られたのは、Rさん本人はまだパスポートが有効期限内であり、カタールの日本大使館に辿り着けば、日本の滞在ビザは何とか発行できそうでした。しかしRさんの家族について“パスポートの期限が切れているので発行できない”と言うことでした(Rさんの家族は、妻と6歳、4歳、2歳の子供が3人います)。 Rさんは妻とともに家族会議を重ね、とりあえずRさん1人でも日本に脱出することを選ばれました。そのためにはビザの手続きが必要で、在カタール日本大使館へ何度も相談していました。時差を考えずに明け方4:30に電話をしてしまったのにも関わらず、カタールの日本大使館の職員の方は昼夜を問わず対応をして下さり、頭が下がる思いです。また当院の事務所の方にも、色々な手続きや交渉などでお骨折りをいただき感謝しておりました。 しかし非常に大きな問題がありました。アフガニスタンを脱出してカタールの日本大使館まで辿り着かなければ、Rさんのビザは発行できないのです。ビザの申請は代理人ではダメで、Rさん本人じゃなければならないというのが日本の法律上絶対に譲れない一線でした。カタールの日本大使館の職員の方から何度も言われたのは、“決して陸路で脱出することを勧めないでくれ”“陸路では生命に危険が及ぶことが多く、何とか航空機を使って脱出する方法を進めてくれ”との事でした。

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