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(号外)病状がとても悪いから障害年金を請求したのに、年金支給決定前に死亡すると請求は無意味になるのか。

事例と仕組みから学ぶ公的年金講座
こんばんは! 年金アドバイザーのhirokiです。 障害年金を請求する場合は、次の条件を満たした場合に支給される事を今までお話ししてきました。 ア.その傷病で初めて病院に行った日である初診日を特定する。 イ.初診日の前々月までに国民年金被保険者期間がある場合は、その3分の2以上が納付または免除である事。 もしくは初診日の前々月までの直近1年間に未納が無い事。 ウ.初診日から1年6ヶ月経過した日(障害認定日)を過ぎている事。 の3つを満たしておく必要があります。 まあ、原則なので例外はいろいろと存在しますが、それはここでは割愛します。 請求する場合は障害年金専用の診断書を医師に書いてもらう必要があります。 その診断書の状態が障害年金の等級に該当すれば障害年金の支払いが始まります。 傷病の状態(現症という)は障害認定日時点(初診日から1年6ヶ月経過した日~1年9ヶ月の間の現症を診断書に書いてもらう)のを見ます。 もし、障害認定日時点の状態で障害年金が貰える事になれば、障害認定日の翌月分から年金が支給されます。 これを認定日請求といいます。 認定日請求は教科書通りの流れという感じがしますが、あまりこんなにスムーズな人はそんなに居ません^^; 初診日から1年6ヶ月だとまだそこまで病状が酷くない人も多いですからね。 あと、障害年金なんか知らなかった!という人が多いので、障害認定日から随分時間が経ってから請求する事があります。 例えば障害認定日から7年経った時に障害年金を知って、障害年金の請求に踏み切るとか。 障害認定日から随分時が経過してますが、この場合は、障害認定日時点の診断書が書いてもらえるなら障害年金請求は可能です。 障害認定日時点に通ってた病院にカルテが残っていれば、そのカルテをもとに診断書を書いてもらいます。 もしそれで障害年金が貰えるならば、7年遡って障害年金が発生するので、遡って障害年金を受給する事が出来ます。 年単位で遡るので、遡って貰える障害年金は数百万円にも及ぶ事があります。 これを遡及請求といいます。 ただし、年金には5年の時効があるため、どんなに遡っても直近5年分の年金となります。 よって先ほどの7年遡れる人でも、遡って貰えるのは5年分のみとなります。 例えば7年遡って障害年金年額150万円受給する権利を得たとして、直近5年分の750万円を一括で受給し、年金は今後毎回偶数月に2ヶ月ごとに支払われる事になります。 じゃあ初診日から1年6ヶ月経過した日である障害認定日の状態で障害年金が貰えなければ、今後ずっと障害年金を貰う事が出来ないのかというとそうではないです。 傷病は時の経過とともに悪くなったり、軽快したりする事もありますよね。 障害認定日時点ではそこまで悪くなかったけど、何ヵ月とか何年か経った後に悪化した場合は、悪化した時の状態で障害年金を請求する事が出来ます。 これを事後重症請求といいます。 障害年金の請求の多くはこの事後重症請求の事が多いです。 悪化した時に事後重症請求して、請求の翌月分から年金を受給します。 障害認定日まで年金が遡る事はありませんので、注意する必要はあります。 さて、生活習慣病のように時が経つにつれて悪化していく病気はよくありますが、悪化し始めた時にはもうそんなに命が長くないという場合もあります。 たとえばガンだと、進行が早いと急速に症状が悪化したりしますよね。 とても悪化してきたので先ほどの事後重症請求をして、翌月分から年金を受給するという事になりますが、請求してからすぐに翌月から支払われる事はありません。 請求後は提出してもらった書類をしっかり審査しなければならないため、どうしても支給が決定するまで時間がかかります。 最低でも請求から3ヶ月ほどはかかります。 3ヶ月ほど時間はかかりますが、支払いは請求月の翌月分まで遡って支払うので損はしません。 とはいえ、実際に障害年金を貰い始める前に亡くなってしまうというケースもあります。 そうなると頑張って障害年金請求したのに、骨折り損だった…という思いになりますが、請求から本人死亡までの年金は未支給年金として一定の遺族に支払われます。 そして今回の事例のようにとても意味を持つ事があるので見ていきましょう。

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