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【Vol.402】冷泉彰彦のプリンストン通信『総選挙結果を考える』

冷泉彰彦のプリンストン通信
『総選挙結果を考える』  総選挙の結果については不思議な納得感があります。詳しくはもう少し分 析してみないといけませんが、直後の感想としては、次のような指摘が可能 と思います。 1)何と言っても、ワクチン接種率が臨界点を超えてコロナ感染拡大が劇的 に低下したことで、自公政権の現状への信任が増えた。 2)反対に、立憲の言う「ゼロ・コロナ」のリアリティは崩壊した。 3)自民党の総裁選が電波ジャックしたことの効果は大きく、岸田氏だけで なく、党全体のイメージアップにつながった。 4)維新は単なるリストラ政党であり、デジタル、英語、生産性といった真 の改革勢力ではないにも関わらず、依然として都市の納税者心理、つまり行 政というコストセンターへのアンチ心理の受け皿になっている。 5)エネルギー政策については直接の争点にはならなかったが、原発の限定 的再稼働を含めたエネルギー・ミックスについては信任された格好か。 6)石原伸晃氏については、90年代に住専処理で奔走するも、そこで仕事 ができすぎたことで、守旧派との乖離が生じた一方で、改革に踏み込むこと もできなかった中での悲劇と思われる。また甘利正氏については、TPPの 困難な交渉をまとめた、その日に「スキャンダルで後ろから斬られた」こと には、今でも釈然としない思いが残る。 7)それでも議席を減らしたとして、岸田文雄氏は低姿勢だが、内心は「望 外の大勝」と思っているはず。その辺のポーカーフェースは、菅+麻生コン ビよりも、あるいは2Fよりもずっと不気味。  といったところです。まだ、いろいろなデータを集めて分析をしていかね ばと思っています。(続く)

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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