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セクシー心理学GOLD 2021-11-03
第683曲
超人になれ! ニーチェの思想2
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こんにちは。ゆうきゆうです!
みなさまいかがお過ごしでしょうか?
さて前回、哲学者ニーチェの思想について、こんな話をしました。
○ 哲学者ニーチェは「神は死んだ」と述べた。
○ その神を造り出したのは、迫害の歴史を持ったユダヤ人。
○ 多くの人が信じているキリスト教の「攻撃されても耐えよ」という考えは、
迫害から生まれた。
○ しかし当時も今も、多くの人が「本当にそうなのか…?」と疑っている。
○ すなわち神は死に、人生には何の意味も見いだせなくなってきている。
さて、ではここからどうしたらいいのでしょうか?
ニーチェの話を続けさせていただきます。
◆ 人生に意味はない。
ニーチェの話した「神は死んだ」という主張。
特に現代日本では、そこまで明確に「神さま」を信仰している人は多くないか
もしれません。
よって「神は死んだ」と言われても、「はぁ、ぁまぁそういうものですか」と
思うことが大半かもしれません。
しかしこれは、もっと深く広く考えることもできます。
ここでの「神さま」というのは、言い換えれば、我々にとっての、人生への希
望です。
「今どんなに苦しくても、生き続けていれば、きっと報われる」
という願いであったり、
「今の苦しみやつらさにも、きっと意味はあるはずだ」
という思考であったり…。
そんな「自分の人生の報われる何か」や「人生というものの意義」などこそが
「神」であり、そしてそれは「ない」「死んでいる」と断じているわけです。
そう考えると、我々としてもショックではないでしょうか。
中には自殺したくなる人もいるかもしれません。
しかしニーチェは、それすらも否定します。
自殺をするというのは、
「あまりの苦しみにこの世の中に絶望しても、自殺さえすれば、その苦しみか
ら逃れられるのでは?」
「ラクになれるのでは?」
と考えているのと一緒です。
そもそも死ぬのは大変なことですから、それだけ自殺に救いを求めているとい
うことになります。
しかしニーチェにすれば
「自殺することが救いになる、という思考すらも間違っている」
となるわけです。
何であろうと、世の中に救いはない。
自殺に意味を見出すことすらおかしい。
生にも死にも意味はなく、世界すべてこそが「虚無」である、というわけです。
結構ハードな主張です。
◆ 永遠に繰り返す世界。
さらにニーチェは「永劫回帰(永遠回帰)」というものを話しています。
これは非常に説明が難しいのですが、それこそこの世界が「永遠に同じことを
繰り返す」ような世界だったとイメージしてください。
たとえばあなたが田中さんだったとします。
お父さんとお母さんの間に生まれて、すくすく育ちますが、小学校でフラれて、
大学入試に落ち、滑り止めの学校に入ります。
そして公務員試験を受けて、無事に公務員になり、結婚して子供も生まれて、
80歳で亡くなったとします。
田中さんが亡くなったあとも地球は存続し、多くの人類が生きていきます。
しかしどこかでこの世界に終わりが来て、また同じく世界が生まれて、そして
田中さんがまた生まれて、小学校でフラれて…
なんて風に、世界が何回も何回も同じことを繰り返す、という創造が「永劫回
帰」です。
これ、どう思いますでしょうか。
人によっては、結構、絶望的な世界だったりしませんでしょうか。
「えええ!? このつらかった人生を、もう一度やんの!?」
「今までをまた体験しろってこと!? 絶対イヤだ!」
という人もたくさんいるはずです。
何より、人間がどれだけ苦労しようが、頑張ろうが、結局はすべて消えてしまっ
て、また同じことを繰り返す世界…。
まさにどこにも進まない世界。
それこそが、ニーチェの考える永劫回帰であり、「もっとも意味がない世界」
なのです。
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