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松尾スズキの【のっぴきならない日常】vol.489 HTML特別版(2/2)

松尾スズキの、のっぴきならない日常
松尾スズキの、のっぴきならない日常 / 2021年11月5日発行 /Vol.489(2/2) 「人生に座右の銘はいらない」 読者からの相談や質問に松尾スズキが独自の視点でお答えします! Q.小さいころから好奇心旺盛だと褒められることが多かったのですが、大人になったいまも変わらず、いろんなことに興味を持って手を出しています。ただ問題は、どれも続きません。気持ち的には、そうやって興味を持ったもののなかから、一生をささげられるようなものに出会えないかと(あわよくば仕事になれば、とも)思っているのですが、いつも途中で限界を感じて冷めてしまいます。どうすれば松尾さんのように道を極めることができるのでしょうか?(30歳、男性) A.どうも自分が、なにかの道を極めているとは思い難いのです。こんな自分でも、月に一度いただく給与明細というものをじっくり眺めることがあります。それで自分がなにものなのかを推し量ろうとするわけです。このメルマガを含めた3つほどの連載、もろもろの出演仕事、過去の映画、書籍や電子書籍の印税、演劇をやれば、そのときの演出料、脚本料、今年はWOWOWでコントもやったので、その脚本演出料や出演料、ごくたまに思い出したように入ってくる『高校教師』の出演再放送マージン、年に1回ほど『キレイ』の作詞料が8百円くらい……そういったものが入ったり入らなかったりで、月にもらうお金に非常にばらつきがあります。 今月は、先月に衛星放送からいただいた賞を受け取りに行っただけなのに、いただけるギャラ、なんていうのも入っていましたが、先月はあんまり仕事してないな、という明細でした。やることは多岐に渡っているわけですが、なにひとつ、それ専門で食べていける気がしません。私の場合、道を極めなかったから生きてこれたのだと思います。どれも最初はお金になりませんでした。ただ長く続けていたので、ぬるーっと、お金になっていったのです。あ、つまり、なんでも長く続けるしか、道はないのかな……と思います。 Q.ネットフリックスやアマゾンプライムで海外ドラマを観るのが好きなのですが、いわゆるアイドル的な人気優先のキャスティングはほとんどない気がします。この先、日本でも、そういった実力を優先したキャスティングで舞台やドラマが作られる日はくるのでしょうか?(47歳、男性、会社員) A.わかりませんが、少なくとも今年、私が出演していたドラマは、世間的にはほとんど無名の方が主演していました。体格がものをいうドラマだったので、そうなったのでしょうが、これがスポンサーのあるドラマだと、どうなんでしょうねと思います。でも、動画のサブスクに韓国ドラマというカテゴリーがあって、そのラインナップをのぞくと、まあまあアイドルっぽい俳優も出ているなあという印象です。自分はアイドルというものにほとんど興味がないので観ることもないわけです。ネットフリックスやHulu、WOWOWなど、契約料で予算を賄っている媒体では、人気より実力優先のものも作られていくんじゃないかと期待を持っています。『イカゲーム』の主役の人なんて、ほんとに冴えない感じでしたものね。

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  • 有名役者がひしめく「大人計画」を主宰し、芥川賞候補の作家、岸田國士戯曲賞受賞の演出家、現代日本を代表する怪優など、才能が溢れすぎて困っているのに、謙虚な佇まいが魅力的すぎる松尾スズキ。そんな彼のメルマガは、日記、質問&人生相談(もちろん本人が答えます)など読み応えタップリ! これだけのボリュームで月々たったの500円!!
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