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週刊 Life is Beautiful 2021年11月9日号:FacebookのMetaverseに感じる違和感

週刊 Life is beautiful
今週のざっくばらん FacebookのMetaverseに感じる違和感 先週、 Facebook(Meta)のMetaverse向けのアプリケーションを作る気になれないと書きましたが、今回はそれについて解説します。 まず最初に断っておくと、VRグラスであるOculus Questそのものにはそれなりの魅力を感じています。具体的に作りたいものも既に二つあります。 一つはドローンゲームで、それなりのインテリジェンスを持ったドローンの編隊を操って敵の基地を攻撃する「Swarm Strike」というタイトルのゲームで、ドメインも取得しています(是非とも作りたい、という開発者がいたら連絡を下さい)。「Swarm Strike」に関しては、SF小説も製作中で、漫画化、アニメ化などのマルチメディア展開も計画しています。 二つ目はバーチャル・トラベルです。先進国で進む少子高齢化、高齢者が持つ資産、これからも続くだろうコロナ禍を考えれば、南極探検、ベニス観光、エベレスト登山、ピラミッド見学、などをVRコンテンツとして提供するビジネスは、必ず大きなビジネスとして成功すると確信してしています。技術的には解決しなければいけない問題はまだいくつもありますが、開発投資を開始するには良いタイミングだと思います。 しかし、だからと言ってOculus Questに特化したコンテンツを作る気は全くありません。UnityもしくはUnreal Engineを使って、クロスプラットフォームな形で作り、Oculus だけでなく、SonyやValveのVRデバイス向けに幅広く展開します。 どちらのVRコンテンツも、ソーシャルな機能を加えれば、Metaverseと呼べますが、それはコンテンツの一機能でしかなく、Facebookが提案しているような「プラットフォームとしてのMetaverse」は必要としていないどころか、邪魔な存在なのです。 「Swarm Strike」や「バーチャル・トラベル」にソーシャルな機能を付け加えるとすれば、それはコンテンツに付随した Metaverse であるべきであり、コンテンツを横断した形のMetaverseなど全く不必要だし、余計なものなのです。 にも関わらずFacebookがMetaverseをプラットフォームとして展開したがっているのは、Facebookがユーザーや開発者にとって「なくてはならない」存在になりたいからでしかないようにしか、私には思えないのです。 上に書いたように、VRコンテンツの開発者たちが、UnityやUnreal Engineを使ってクロスプラットフォームでコンテンツを展開してしまうと、Oculusは単なる「VR端末の一つ」でしかなくなってしまい、「Metaverse時代のプラットフォーム」になりたいFacebookの野望をぶち壊すことになってしまうのです。 Facebookがどうしても「Metaverseの時代のプラットフォーム」になりたいのであれば、Unity Softwareを買収するしかないと私は思います。FacebookがUnity Software を買収し、Unityの一機能としてサーバーなしでMetaverseサービスを提供することを可能にすれば、多くの開発者がそれを活用すると思います。 $50 billionを超える買収になると思いますが、$900 billionの株価総額を持ったFacebookにとっては、数%の希薄化でしかなく(株式交換による買収を想定)、決して高くない買収だと思います。 オーガスタ・ナショナルでゴルフ 10月からハワイでの生活が始まりましたが、先週はシアトル経由でアトランタに3泊4日の旅行をしました。知り合いにゴルフのマスターズ・トーナメントを開催しているオーガスタ・ナショナルのメンバーがおり、そこでのゴルフ合宿に招待されたのです。 マスターズは、4つあるゴルフのメジャー・トーナメントの中でも最も伝統と格式があるトーナメントとされており(イギリス人だけは、この意見に賛成しないと思います)、トーナメントのチケットを手に入れることすら非常に困難とされています。 通常のルートで購入することは不可能で、メンバーと関係のある企業に接待してもらう、などの特殊なルートでしかチケットを手に入れることが出来ないのです。

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