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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第452号2021.11.2配信分
●明るい未来は暗い過去とつながっている
私の関心は未来にある。いつからそうなったのかは分からないが、齢69にし
て常にそうだったという気分になっている。ずっとクルマで生きてきた。フリ
ーランスの自動車ライター稼業で43年余。その前の(本気でF1を目指してい
た)モーターレーシングの足掛け4年、さらにその”準備期間”でもあったと
振り返られる4年余りを合わせた51年の自動車人生は浮き沈みの多い日々では
あったけれど、今もなおクルマで生きることに些かの悔いも迷いもない。
いい時代を生きてきたと思う。来年が古希70歳の節目となる1952年生まれ。
終戦の7年後であり、当然戦争は知らない。もの心ついた頃の和と洋が混ざり
入れ替わる暮らしぶりや街並みの変容や世相が記憶に留まる一方で、自動車人
として歴史を刻んだのが1970年という節目であり、それまでの18年間との対比
を実体験として語れるぎりぎりの世代感覚を持っている。
過去半世紀の経緯をクルマという指標を軸にして一貫して語れる。始まりが
まだ自動車が100年の歴史を刻む前であり、30代で自動車100年の節目を迎え、
さらに35年を経た21世紀の第3ディケードを高齢者と括られながらも現役感を
以て日々過ごしている。
いろんな意味で有り難いことだと思う。戦後復興期を第18回東京オリンピッ
ク1964から大阪万博expo1970を横目に見ながら育つ。高度経済成長期という語
彙を意味と実感を交えて理解したのはずっと後の話だが、ある意味時代の頂点
に自動車という文明の利器に巡り合えたのは幸運と言う他ない。
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