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【Vol.404】冷泉彰彦のプリンストン通信『日本のワクチン戦略』

冷泉彰彦のプリンストン通信
「ワクチン接種、日本の成功事例を考える」  日本のワクチン接種政策は、どうして成功したのかという問題が、大変に 気になっています。新型コロナに関しては、とりあえず、最新の数字を見て みましょう。  本稿時点での1日の数字ですが、 アメリカ 新規陽性者 80,885人、死亡者 1,133人(11月14日、NYタイムス) 接種完了率 59.44%(ジョンズ・ホプキンス大学ポータル) 日本 新規陽性者 126人、死亡者 2人(11月13日時点、厚生労働省の数字) 接種完了率 75.34%(ジョンズ・ホプキンス大学ポータル)  となっています。  時間の感覚をしっかり持っていないと、現在位置の確認や、意味合いの議 論は難しくなります。そこでまず、この2021年の8月から9月の状況を 思い起こすことにしてみましょう。当時は、連日のように東京では5000 名の新規陽性者が確認されるとともに、自宅療養中に死亡という例が報告さ れていました。そんな中で、オリパラが進行していたことが、政治への不信 を生んでいたのでした。  その東京では、最新の数字としては、 新規陽性者 7人、死亡者 0人(11月15日の状況、都のポータルより)  となっているのですから、状況は激変しています。現時点で、日本とアメ リカを比較することには、それほど大きな意味はないのですが、それでも2 桁、いや3桁の違いがあります。アメリカの人口が日本の約3倍だというこ とを考えても、そして1日だけの数字ではなく、前後の移動平均を考えるに しても、200倍とか150倍の違いがあるわけです。  原因としては、酵素の影響でウイルスが死滅したなどという説もあるよう ですが、全く証明されておらず仮説に過ぎません。現時点では、やはり上に 掲げたように、日本におけるワクチン接種が進捗したことが大きな理由であ ると考えられます。現時点での「完了者」つまり「モデルナ・ファイザーな ら2回、J&Jなら1回」接種を終えた人が、全人口比で「アメリカ59 %」に対して「日本75%」という大きな差がついている、このためと考え ることができます。(続く)

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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