民間の方と話をしていると、政策を実現しようと役所と話す時に、誰に話をすればいいのかよくわからない、という悩みを耳にすることがあります。
課長補佐がよいのか、企画官がよいのか、課長か審議官かなどです。また、よくある相談に、「企画官と課長補佐とどっちが偉い?」「審議官と呼ばれる人の中には、ランクが違う人がいるのはどういうこと?」などといったものもあります。
こうした悩みや疑問のもとをたどってみると、役所特有の組織構造は、外から見ると分かりにくいということに行き着くのだろうと感じます。
一般的なメーカーの場合、商品分野ごとの事業部門があり、人事部、総務部等の管理部門があり、会社の方針を立てる経営企画部があり、それらの上に社長を頂点に置く取締役会があるような場合が多いですね。
役所も政策ごとに局があり、その下に課があるという意味では、民間に似たような部分もあるのですが、皆さんにとっては聞きなれない部署(統括官、大臣官房はその筆頭ですね)や役職(審議官・参事官・企画官などがそれにあたるでしょうか)もたくさんあり、混乱するのも無理はないと思います。
民間企業の皆さんにとって、役所の構造が難解な理由にはいくつかの要因があります。役所の構造を概観しつつ、なぜそのような構造になっているのかをひもといていきます。
1)役所の構造
一般的な役所構造はこのようになっています。
大臣
副大臣
政務官
―――――ここまでが政治家――――――
事務次官(事務方トップ)
(+省名)審議官(事務次官と同格。厚生労働省なら厚生労働審議官)
官房長(局長級。官房長になってから局長になる場合もある)
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