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2021年11月19日号(Vol.187)-ラベリング・テクニック(2)&歩み寄れない米中のジレンマ

最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』
第187号(2021年11月19日号) 『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』 はじめに: いつもお読みいただきありがとうございます。 また、コメントやご質問、ご相談も頂戴し、本当に嬉しいです。 さて、今週号のメルマガですが、まず【1】のコーナーでは、 先週に引き続き今週も 【ラベリング・テクニック】 についてお話しします。 次に、国際情勢ですが、今週もいろいろな動きがありました。 1つ目は、気候変動COP26についてです。 『パリ協定に続く決定が出来てよかった。』 という反応が多く聞かれる中、 かろうじて全体会合での合意を得たという姿を見て、 『やはりもう国際交渉の段階は終わり、各国は国内での実施に専念すべきではないか』とも感じました。 議長国・英国の会議成功に向けた思いの強さは伝わりましたが、 それが『脱石炭の連合』や『自動車の2035年までのEV化へのcoalition』、 そして、私もかかわっているメタンガスの削減に対するグローバルな取り組みの連発といったように、 COP外での有志連合の合意が連発された会議にも思えました。 皆が一堂に集う機会がCOPとして与えられたが故の結果とも評価できるかと思いますが、 開催国・英国でもコロナ感染が再拡大し、途上国の多くはまだコロナ禍に苦しむ中、 あえて今、この時期に強行するほどの会議だったかは謎です。 以前、お話ししたようにまさに脱炭素祭りに終始したイメージです。 2つ目は、【トルコ・エルドアン大統領が始めた帝国再興への企て】についてです。 11月12日にイスタンブールで開催された『チュルク語系諸国協力会議(チュルク評議会)』の8回目の首脳会合において、 中央アジア諸国との連携を深めるために『チュルク諸国機構』に改組されることが決まりました。 トルコを筆頭に、アゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスタンに加え、 トルクメニスタンとハンガリーがオブザーバー参加するなど、 民族・文化・歴史に近い国々の間で、不安定な地政学的リスクに対抗すべく、協力を深めることが決まったようです。 先のナゴルノカラバフ紛争時に浮かび上がったように、トルコはアゼルバイジャンに相当肩入れし、 紛争におけるアゼルバイジャンの勝利に貢献しただけではなく、地域を裏庭とみなすロシアに対して公然と、 中央アジアにおける権益拡大の挑戦を突き付けました。 その後、アフガニスタン情勢の混乱を受け、力の空白が生じ、そこに今、ロシア、中国、イラン、 そしてトルコが影響力の伸長を狙っています。 今回の“お友達集め”は、トルコにとって地域での優位性を築く意図の明確化とともに、 EU偏重型の外交方針との決別を意味するのではないかと考えています。 今後、加盟に関心を持つ国々(ウクライナなど)を巻き込み、 中央アジア地域は地政学てきな争いの中心になりそうな予感がします。 3つ目は【米中間の綱引きとその行方】についてです。 高まる対立への懸念を和らげるために、11月16日に米中首脳会談がオンラインで開催されました。 気候変動問題などのグローバルな問題での協力の必要性には同意したものの、 実際には、双方とも原則論の繰り返しに終始し、逆に対立を際立たせたような気もします。 しかし、これ以上の対立のエスカレーションは米中共に望んでおらず、 偶発的な軍事的衝突を何としても避けたいとの思いは共有しているようですが、 双方ともに内政上退けず、対立の緩和はまだ具体的には見通せないと思われます。 本件については、【2】のコーナーで詳しくお話いたします。 今回もいろいろなお話しをしますが、どうぞお付き合いくださいね。 それでは今週号、スタートします★

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  • 最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』
  • 世界各地の紛争地で調停官として数々の紛争を収め、いつしか「最後の調停官」と呼ばれるようになった島田久仁彦が、相手の心をつかみ、納得へと導く交渉・コミュニケーション術を伝授。今日からすぐに使える技の解説をはじめ、現在起こっている国際情勢・時事問題の”本当の話”(裏側)についても、ぎりぎりのところまで語ります。もちろん、読者の方々が抱くコミュニケーション上の悩みや問題などについてのご質問にもお答えします。
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