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佐々木俊尚の未来地図レポート 2021.11.22 Vol.680
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【今週のコンテンツ】
特集
なぜ日本人は「IT怖い」「IT怖い」と繰り返すのか
〜〜勤勉革命とGPT(汎用技術)の視点からその理由を読み解く
未来地図キュレーション
佐々木俊尚からひとこと
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■特集
なぜ日本人は「IT怖い」「IT怖い」と繰り返すのか
〜〜勤勉革命とGPT(汎用技術)の視点からその理由を読み解く
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わたしは長年、総務省の情報通信白書アドバイザリーボード委員をつとめています。この編集委員の会合で毎年のように話題になるのが、日本人はITに対していつも消極的で距離を置きたがり、不安を感じているという問題です。白書では米国やイギリス、ドイツ、韓国、中国などとの比較調査もひんぱんにおこなっているのですが、SNSやシェアリングサービスの利用度、AIへの不安などの数値で日本はいつも際立っています。
これは産業界でも同じことです。わたしは企業講演もよく依頼されるのですが、たとえばAIやIoTなどの話などをすると、「このまま進むと怖いですねえ」というような感想がほぼ100パーセントの確率で聴衆から返ってきます。呼んでくれた企業の司会者まで壇上で「いやあ話は面白かったけれど、このまま進んでいいのかと正直怖いですね」とか言う。それを進めるためにわたしを呼んだんじゃないんですか、と思います(笑。
テレビに出演しITの解説をするときも、たいてい同じ。他の出演者も司会者も「怖い」「怖い」という。日本の「テクノロジー怖い怖い病」はいたるところに蔓延しているのです。
ふりかえると昭和のころは、電機産業や半導体産業は日本の花形だったのです。1991年に放送されて一世を風靡した『電子立国 日本の自叙伝』というNHKスペシャルがありました。これは日本の半導体産業の輝かしい歴史を追った内容だったのですが、それがいまやなぜこれほどまでに消極的になってしまったのでしょうか。
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