ヒント:Udemyの成長を牽引しているのは、一般的に知名度が高い個人学習者向けのプラットフォーム事業ではありません。
この記事はカネコシンジさんと沼幹太さんとの共同制作です。
今回は、2021年10月29日に米ナスダックに上場したUdemyの直近の決算状況と今後の成長戦略について解説します。
昨今の教育改革の流れを受け、EdTech業界の存在感が増しています。
日本の中学・高校などの教育現場ではリクルート運営の「スタディサプリ」やベネッセとソフトバンクの合弁会社による「Classi(クラッシー)」などが導入され、少しずつではありますが生徒個々人の学習ペースに合わせた教育へと近づきつつあります。
また、学習塾でも「東進衛星予備校」などの大手予備校のオンライン授業や、2021年7月に51億円を調達し話題となった東大発AIスタートアップ「Atama Plus」などのスタートアップ企業の参入も目立ちます。
教育現場以外にも2021年7月に米ナスダックに上場した英語学習アプリの「Duolingo」など、社会人を対象としたEdTech系企業の誕生・成長も顕著にあらわれています。
その中で今回ご紹介するUdemyは、MOOCs(ムークス:Massive Open Online Courses)と呼ばれる不特定多数が視聴できるオンライン動画学習サービスに位置付けられています。
スタンフォード大学の教授によって設立され世界中の大学と協力してコンテンツを提供している「Coursera」、マサチューセッツ工科大学とハーバード大学によって創立された非営利団体の「edx」、190カ国以上で利用され大学やGoogleなどが講座を提供する「Udacity」など、MOOCsビジネスは、成長企業が乱立している市場です。
今回の記事では活況なMOOCs市場において、Udemyはどのような存在なのかを、主にUdemyのIPOのForm S-1(新規上場の目論見書)をもとに、現在の業績や今後の成長戦略を読み解きたいと思います。
オンライン学習プラットフォーム Udemyとは?
Udemyは「学びたい人」「教えたい人」をつなぐオンラインのマーケットプレイスとして2010年に設立された、サンフランシスコに本社を置く企業です。
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