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第144号 熱帯雨林の真実/アンドロギュノスの背中/冬紅葉/49歳になりました

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  • 2021/11/24
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「熱帯雨林の真実」 先週に続いて今週も「COP26」の話題になりますが、大変な事実が分かったので、取り上げることにしました。今回の英グラスゴーでの「COP26」は、11月1日から13日まで開催されましたが、日本のマスコミは、2日の岸田文雄首相の演説と13日の成果文書について報じただけで、それ以外の数々の演説については、ほとんど報じませんでした。しかし、海外メディアの報道や実際の映像などをチェックしてみると、とても重要な演説が数多くありました。 その中で最も重要だと感じたのが、気候変動による直接的な被害を受け続けている人たちからの訴えでした。森林破壊によって動物がいなくなり、花が咲かなくなり、川が死に絶えつつあると訴えたアマゾンの先住民のチャイ・スルイさんや、数年前から雨期が消滅し、川が干上がり、200万人が飢餓に苦しんでいると訴えたケニアのエリザベス・ワトゥティさんなど、あたしたち先進国の国民は、全員が聞くべきだと思いました。 アマゾンの先住民100万人を代表して演説したチャイ・スルイさんは、熱帯雨林で暮らすパイタースルイ族の部族長の娘で、24歳の環境活動家です。彼女は、勉強中だという英語で、自分たち先住民は6000年前からアマゾンの熱帯雨林で暮らして来たこと、加速する森林破壊によってアマゾンの先住民は危機的状況の最前線に立たされていること、これはアマゾンだけの問題ではなく地球全体の問題だということなどを力説しました。 そして、各国の首脳に向かって、気候変動問題は、2030年までに何をするとか、2050年までにどうするとか言ったのんびりした話ではなく、今すぐに世界規模で対策をしないと手遅れになると訴えました。さらには「もう、虚しい嘘や偽りの約束をするのはやめてほしい」と述べ、毎年の「COP」のたびに、できもしない目標を掲げたり、虚偽の成果を強調したりする各国首脳を批判しました。 すると、このチャイさんの演説を受けて、ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領が、公の場で「チャイ・スルイはブラジルを攻撃している」と厳しく批判したのです。ボルソナロ大統領と言えば、新型コロナが大流行しても「コロナはちょっとした風邪」と述べてマスク着用を批判し、「集団感染はワクチンより効果的」と述べて感染拡大を放置し、多くの国民からデタラメなコロナ対策を批判されると「どうせ誰もがいつかは死ぬ」と述べてひらき直った挙句、自分もコロナに感染してしまった人物です。 先月10月、ボルソナロ大統領は、致死性のある新型コロナウイルスの蔓延を放置して国民60万人以上を死亡させたとして、ブラジル議会から「大量殺人容疑」で訴追勧告されました。さすがは「南米のトランプ」と呼ばれているだけのことはあります。そして、このような人物ですから、本家のトランプ前大統領と同様に、支持者の中には「愛国」という言葉の意味をはき違えている過激な極右が数多くいます。そうした一部の過激な支持者らが、ボルソナロ大統領の「チャイ・スルイはブラジルを攻撃している」という発言に脊髄反射し、こともあろうに、チャイさんに対してSNS上での誹謗中傷や殺害予告を始めたのです。

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