第188号(2021年11月26日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
さて、今週号のメルマガですが、
まず【1】のコーナーでは、今週も【ラベリング・テクニック】
についてお話しします。
ここまで、確か7つのラベリング・テクニックについてお話ししてきましたが、早速お使いいただけたでしょうか?
今日はあと3つ、お話しして、最終回にしたいと思います。
その内容は、本編をお楽しみに。
次に、国際情勢ですが、今週もいろいろな動きがありました。
一つ目は【エチオピア情勢の続報】です。
相次ぐ国際社会からの非難に晒され、欧米諸国からは制裁措置の発動と、
これまで得てきた特恵待遇の無期限停止を言い渡されているエチオピア政府とアビー首相。
ティグレイ州から隣国スーダンへの避難民と、
今もティグレイ州に留まる人たちへの人道的援助のために現地入りしている国連スタッフや人道支援団体の職員たちが
次々と拘束されたことを受け、国連はもちろん、国際社会の堪忍袋の緒が切れ、
対エチオピア制裁に乗り出す国々が増え、そしてアフリカの周辺国でさえも、
エチオピア政府によるティグレイ人への組織的な蛮行に対して公然と非難する国々が出てきました。
ルネッサンスダム問題で対立関係にあるエジプトとスーダンはもちろんのことながら、
ケニア、タンザニアなども非難を強め、その輪は(国内で政治的な対立を抱える)チュニジア、モロッコ、
アルジェリアといった北アフリカ諸国にまで広がっています。
そして、対岸の中東諸国も大きな懸念を表明する事態です。
現在、“味方”と言えるのは、同じく国際社会から非難の的になっているエリトリアと、
エチオピア経済と不可分の関係にあり、半強制的に結合されているジブチくらいかもしれません。
大きく肩入れしてきた中国も、エチオピアにおける著しい人権侵害の飛び火が自国に及ぶことを避けたいとの思いから、
状況への懸念とエチオピア政府に対する自制の要請を公に行い、同時にもろもろの経済的な支援も停止しているようです。
政府軍によるティグレイ民族狩り、アビー首相による『ティグレイを抹殺する』という民族浄化の指示とも解釈できる発言、
真っ向から国際社会に反抗する姿勢など、本件の改善の兆しが全く見えてきません。
被害を受けるのは、ティグレイ人と、エチオピアの一般市民ですので、非常に懸念しています。
またエチオピア情勢の混乱は、東アフリカ全体の不安定要因となり、
複雑かつデリケートなアフリカ全体の安定のバランスが崩れるきっかけになりかねないとの心配が出てきています。
現時点では、調停努力も拒否されている状況ですので、どうすればいいのか、悩んでいるところです。
本件については、【2】のコーナーで詳しくお話いたします。
2つ目は、【中国が世界に仕掛ける闘い】についてです。
米中貿易戦争、香港における一国二制度の否定、新疆ウイグル自治区における人権侵害の疑い、
台湾海峡における軍事的な緊張の高まり・・・中国が関連する『国際情勢における緊張要因』を挙げるとキリがありませんが、
これらに加え、特に脅威を与えているのが、【サイバー部門における急速な“浸透”】と
【非軍事的行動による戦争といわれる“ソフトな戦争”の徹底的な実行】は、
安全保障コミュニティがこれまでに予測していたレベルを遥かにしのぐレベルになっているようです。
そして、アメリカ軍でさえ、その運用にまだ確信が持てないとされる、極超音速ミサイルの能力が、
想像をはるかに超えるレベルにまで高まっているという分析が問う、中国の“意図”はどのようなものでしょうか?
そして気になるのが『中国は台湾への侵攻の準備が整った』とする情報です。
一部では『中国には台湾への侵攻を実行する実力はない』とする見解もありますが、同時にこのような情報も存在します。
もしかしたら、中国お得意の『超限戦』による情報操作を通じて恐怖を作り出し、
台湾内部での分裂を引き起こすという作戦かもしれませんが・・・。
もう少し分析して、またお伝えしたいと思います。
今回もいろいろなお話しをしますが、どうぞお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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