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鳥は万病の元?

ドクター畑地の診察室
ドクター畑地の診察室117.2021.11.28. 現役呼吸器内科、総合内科専門医 畑地治です。 世の中に「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れています。現代医療の特徴は精密医療で万人に効くような治療はありません。治療方法は個人によって全く違います!おそらく日本で一番多くの呼吸器疾患患者(肺癌、喘息、COPD、肺炎など)を診療する専門医が、最先端の精密医療を解説&ネットでは出し辛い医療や治療の裏側も配信! https://zipangu-management.co.jp/culture_000/hataji/ 三重県出身 自治医科大学卒業後、僻地診療、三重大学勤務を経て、呼吸器内科医師となる 現在、松阪市民病院統括副院長兼呼吸器センター長 診療の傍らFM三重で「肺、おさむに聴け!radioを聴いてらんらんらん(lung lung lung)」という毎週月曜日放送の番組を担当 https://fmmie.jp/program/getsumoku/hiosamu.php *********************************** 鳥は万病の元? COVID-19のパンデミック禍で様々な予防策が講じられましたが、ワクチン接種以外で、最も有効な予防策の1つとして“移動の自粛”が挙げられます。県外への移動自粛、海外への渡航自粛などが叫ばれ、実際どれほど有効性があったのかはわかっていませんが、国の政策として自粛が実施されていました。我々も学会に参加する時などは、三重県から東京や大阪へ行くことが多かったのですが、移動が自粛されて会場での学会参加はなかなか難しい状況でした。そればかりではありません。COVID-19のパンデミックに至るまで、私は様々な地方の講演依頼を受け、日本全国毎週のように行っていました。現地での開催はほとんど中止され(今現在も中止されているところは多いです。)、WEBでの開催で講演会を行っていました。 なぜ移動が自粛されているのか、ウイルスや細菌を保菌した人が他の地域に行くことにより、そのウイルスや菌を伝播することになるからです。“今、世界にいる生物の中で最も移動する生物は何か?”と考えた時、最も自由に移動しているのは“渡り鳥”である事は明白です。冬になる前に、インフルエンザの予防接種を済ませた人も多いと思います。このインフルエンザですが、鳥とともにウイルスが運ばれ、人に伝播することが知られています。 “非結核性抗酸菌症”と言う病気があります。非結核性抗酸菌症の病気で1番多い菌は“M.avium”と言う菌と“M.intracellrae”と言う菌なのですが、静岡県の大井川を境に、西日本はM.intracellulareと言う菌が東日本より多いことが知られています。この理由も、渡鳥の関与が理由の1つとして考えられています。 鳥ではありませんが、COVID-19やエボラウイルスも、元々はコウモリに起源があることが推察されていることは、皆さまご存じだと思います。 乾燥した鳩の糞には“クリプトコッカス”という真菌がおり、人にしばしば重症の肺炎や髄膜炎を来すことがあります。畑に鶏糞を巻いて肥料にする際は、吸い込まないよう注意しなければいけません。また、非常に稀ではありますが、飼っているオウムやインコから“オウム病”という重症の肺炎が移ることもあり、クラミジアシッタシという菌が原因であることが知られています。

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