今月は、9月下旬のインタビュを受けて作られた婦人公論社のアロマ雑誌 AEAJ 102号(2021年冬)のための錬金術と蒸留術についての記事「エリクシルを求めて」、そして C 社から翻訳を依頼された小著の序文を試訳したものをお送りしようと思うのですが、あとから閲覧しやすいように二分割して、後者を通常号に前者を号外として、すこし時間差を設けてお送りします。したがって各号の分量は普段よりも短くなりますが、ご理解ください。
まずは Richard Whatmore, What Is Intellectual History (Polity, 2015) の序文です。これはインテレクチュアル・ヒストリーのなかでも政治思想史よりの「ケンブリッジ学派」と呼ばれる潮流についての入門編です。残念ながら、BH叢書で翻訳を出した『テクストの擁護者たち』のアンソニー・グラフトンやその弟子にあたる『情報爆発』のアン・ブレアといった、アメリカから発して世界を席巻している最新の潮流をほとんど勘案していないものです。つまり僕の観点からいえば、少し時代遅れの90年代的な動向を紹介する本となっています。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)