(Q&Aより)「ステロイド忌避」問題を考える
確かに「ステロイド忌避」というのもありますね。特にご指摘の「経皮感
作における食物アレルギーの問題」というのは深刻です。つまりステロイド
剤を使って皮膚の炎症を治癒させて、皮膚のバリア機能を回復させておくこ
とが、アレルゲン侵入を阻止することにつながり、食物アレルギー発生を抑
えることができるというわけですね。
その場合に、ステロイドが「イヤ」だとして塗布を忌避してしまうと、食
物アレルギーを誘発してしまうことになるわけです。このステロイドの問題
ですが、アレルギーだけでなく、例えばある種の膠原病の場合は特効薬であ
るわけですし、気管支喘息の場合も大きな効能を発揮するわけです。
ですが、一部の政治団体などが「アンチ・ステロイド」キャンペーンを今
でも執拗に張っているわけで、そんな中で、「忌避感情」というのがバラま
かれているというわけです。ルーツとしては、スポーツ選手における悪用の
報道があり、これは確かに良くない使い方ですし、例えば先天的な心疾患を
気づかずに持っている方が、ステロイド濫用で死亡したケースもあったわけ
です。
それはあくまで使用法が間違っていたわけで、だからと言って印象論を作
り上げて、明らかに効能のあるケースまで使用機会を奪うというのは大きな
問題だと思います。
こうした問題を少しでも改善するためには、やはり社会全体の医学や薬剤
に対するリテラシーを向上し、薬剤の効能とメカニズム、リスクについてよ
り透明性を高めていくしかないと思います。
その意味で、今回の日本人には珍しい「mRNAワクチンが高い率で信用
された」という現象を契機として、ワクチンに関する「失われた50年」を
取り戻していく動きにしていかねばなりません。今後とも、どうぞよろしく
お願いいたします。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)