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【死んでも書きたい話】 手錠されて移動…絶望の繰り返し

安田純平の死んでも書きたい話
コロナがある程度落ち着いてきて講演をまたやれるようになってきました。このまま落ち着いてもらいたいところです。 今回は2016年5月6~9日の日記です。 3月にビデオ撮影されてから膠着していましたが、ついに動きが出てショックを受けた場面です。 思い出すだけでいろいろとムカムカしてきます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【2016年5月6日(金曜日)】=拘束302日 ゴールデンウィークは日曜までか。ここまで長引くとは。昨夜寝たのでまたアザーン前から起きる。蚊がいるのが許しがたい。トイレ時にドアを開いた時に入るのではないか。 奴ら朝からガンガン工事。自称イエメン人アブドゥルが暇すぎてやってるのだろう。今日からまたアブドゥルかと思ったら10~11:00頃、自称シリア人アブフセインがコーヒー2.5杯。ブラック。少々薄いが素晴らしい。 「プラスチックカップ、古いの捨てろ。新しいのがある」と綺麗なのに入れていく。本当にこのまま終わってほしい。せっかくブラックが来たのでスイーツを少し食う。コーヒーは午後欲しかったが、カップの香りだけで眠気飛ばせるだろう。コーヒーも勉強しよう。日常をもっと楽しむ。そのためにも今回全力で勝負する。 イドリブ県の主力であるアルカイダ系のヌスラ戦線を取材したいが、 オレを受け入れる手はずだったもうひとつの主力アハラル・シャムはヌスラの扱いをどうするのか。アハラルの自作と誤解させない方法考えないと。なおかつ日本政府が全く関知していないことも証明しないといけない。 昼前、ズドンズドンと空爆かと思うようなおそらく雷鳴。しばらくして雨らしき音。奴らも起き出して上から降りてくる足音。フロの日と思ったが、アブフセインは「明日。何日入ってない?一週間?なら明日」と言う。どういう判断なのか。

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  • ジャーナリスト安田純平が現場で見たり聞いたりした話を書いていきます。まずは、シリアで人質にされていた3年4カ月間やその後のことを、獄中でしたためた日記などをもとに綴っていきます。
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