前号では、政治家が税務調査に介入してくることもあるとい
うことを述べました。
が、税務調査に関しては、政治家よりも国税OBの方がよほど
影響力があり、介入の頻度も多いのです。
政治家は、支持者から口利きを求められたときにだけ介入し
てきますので、税務署としてもそう簡単には口利きには応じ
ません。
が、国税OBの場合、税務署と日常的な癒着の構造があるので
す。
具体的に言えば、国税OBの税理士が顧問となっている企業に
は、税務署は手心を加えることが多いということです。
税理士というのは、企業の決算書、申告書をつくるのが主な
業務です。
税務署に対し、企業側の代理人的存在であり、国税(税務署
)との折衝役的な存在でもあります。
この税理士の多くは、国税のOBなのです。
国税職員というのは、約21年間勤務すれば、税理士の資格
が得られます。
そのため、国税職員は、退職すると、ほとんどが税理士にな
ります。
つまり、それまで企業の税務調査などにあたっていた税務署
員たちが、退職後は企業側に回って、代理人になるのです。
現役の税務職員にとって、国税OB税理士は先輩にあたります。
それが、納税者の味方、つまり自分たちの敵として対峙する
わけです。
普通の「緊張関係」が保てるわけはないのです。
そもそも国税職員というのは、先輩と後輩の結びつきが強い
組織です。
後輩は先輩の言うことを絶対聞かなくてはならないし、先輩
は後輩の面倒を必ずみなければならないという不文律があり
ます。
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