手応えは感じていました。
そして合格の知らせが届いたのです!
この瞬間、マーベル2作目の出演が決まりました。
同年11月、収録本番。
オーディションと同じように、監督から僕に演出が伝えられます。
一言に、「伝えられる」と言っても、それはスタジオの収録ブースのガラスとマイクを通して
のやりとりであり、必要最小限の言葉のやりとりしかできません。
監督は明確に注文を出し、僕は録音ブースの中から的を射た質問を投げかけて進行します。
このコミュニケーションがスムーズでないと、ガラスの向こう側の関係者たちをイラつかせてしまうことに
なります。
細かな演出に、次々と反応して演じていきます。
『ヒットモンキー』は、暗殺の殺戮が続く中でも、軽快さや、独自のユーモア感を求められます。
その期待に只々ひたすらに応えるべく、必死に演じ続けました。
この、瞬間瞬間のやりとりを、もちろん通訳など介さずに英語で進めていくわけですから、
演出を確実に聴き取り、そこで消化し、役に吹き込んでいくという、
処理能力と瞬発力が求められます。
新たなセリフをその場で与えられたりもしました。
練習などできない、一発勝負です。
「声(だけ)の仕事だから、、、」
と舐めてかかれば、
一瞬で信頼を失い得る、外国人の僕にとっては常にギリギリの攻防です。
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