「郵政民営化」のなれの果て 経費でカレンダーを購入し、自民党議員の後援会らに配布 「自民党最大の集票マシーン」と化す
全国の郵便局長らが、2019年と2020年に、自民党の参院議員の後援会の会員らに配布していたカレンダーを、日本郵便経費で購入されていたことを西日本新聞がスクープした。
参院議員は、小規模の郵便局の局長らでつくられる任意団体である「全国郵便局長会」(全特)が支援しており、「(この)全特の各地組織の幹部が支援者への配布を指示した」との証言もあるという(西日本新聞 me 10月9日付)。
これが事実なら、日本郵便の経費が後援会の政治活動に使われた形となり、政治資金規正法が禁じる「企業献金」に当たる可能性がある。
西日本新聞が入手した内部資料によれば、配布されたカレンダーは、「郵便局長の見つけた日本の風景」という月めくりのA3判壁掛けカレンダーで、仕入れ価格は1部160円。
これを、地域で10局の郵便局を束ねる全国の担当局長が、2年間で合計約400万部を購入し、総額が6億円超の経費が使われたとされる。ただ、実際に支援者にこれが渡った部数は明らかとなっていない。
局長らは、「局長会から支援者宅を訪問して配布するよう命じられた。参院議員への支援のお礼を伝えて渡して回った」と語っている(同・西日本新聞 me)。さらに、全特は、カレンダーを後援会活動の「訪問ツール」と位置付けていたともされる。
全特の事務担当者が2019年の9月、各地の担当者に送信したメールには、
特に今夏の活動等でご協力いただいた方々を中心に配布(1局100世帯)するものですので、漫然と窓口カウンター上に置いて来局者に配布することがないよう指導をお願いします。
と記載されていた。
メール内の「今夏の活動」とは、2019年夏の参院選のことだと思われる。
全特は、小規模局の局長ら1万9千人で構成されている。全特は、民主党から政権を奪回して初となる2013年の参院選以降、比例代表に自民党から候補者を擁立してきた。
後援会も立ち上げ、支援活動も展開し、現在は柘植芳文氏と徳茂雅之氏を現職として国会へ送り出している。
1988年に発覚したリクルート事件を発端に政治家への資金提供が相次いで問題化したことを受け、政治資金規正法は、企業に対し、政党と政治資金団体以外の政治団体への寄付行為を禁止している。
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