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「オミクロン株とFRBの変節で市場は不安定」Part2

江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて
------------------------------------------------------------ *欧州・中国市場~欧州株もオミクロンショックで下落、中国株も不安定 <ロンドン・欧州株およびユーロ圏債券市場の動向> 29日のロンドン株は反発。投資家が新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」を引き続き警戒する中、前週末の急落の反動で買い戻しが広がった。オミクロン株は既にカナダやオーストラリアなどでも確認されているが、治療した南アフリカの医師は、これまでのところ症状は軽度だとしている。 原油価格の値上がりを受けて石油大手のBP、ロイヤル・ダッチ・シェルがそれぞれ3.2%、2.5%上昇。原油は前週末に大幅下落したが、値ごろ感が出たことや、OPECと非加盟産油国でつくる「OPECプラス」が増産を一時停止するとの思惑から買い戻された。金属価格が前週の下落分の一部を取り戻したことで、鉱業株指数は1.89%上げた。 中型株で構成するFTSE250は0.97%高。好調だったのは格安航空(LCC)ウィズエアー、クルーズ運航のカーニバルで、それぞれ5.5%、2.8%値上がりして旅行株を押し上げた。 29日の欧州株は反発。STOXX600は約1カ月ぶりの高値を付けた。前週末の26日は過去1年超で最悪の下げ幅を記録していたが、29日はその一部を回復した。投資家は、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」による景気回復や、中央銀行による金融引き締めへの影響について手掛かりを待っている。 オミクロンは世界の数カ国で発見されているが、最初に検出した1人の南アフリカの医師は今のところ症状は軽度で、自宅で治療できるとした。旅行・娯楽関連株指数は1.78%上昇した。 29日のユーロ圏債券は、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン」株に対するパニックが収束したことで、先週大きく下げた国債利回りが若干上昇した。市場では新変異株が世界経済に及ぼす影響を見極めようとする動きが広がっている。オミクロン株の出現を受け、利上げ観測は後退。短期金融市場では、ECBによる2022年中の利上げは予想されていない。 30日のロンドン株は反落。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」を巡る懸念から、景気敏感株を中心に売りが広がった。FTSE100は月間で2.46%下げ、下落率は2020年10月以来、1年1カ月ぶりの大きさとなった。英国のジョンソン首相は、オミクロン株を考慮してロックダウンを再導入する可能性は低いが、すべて再検討を続けるとした。中型株で構成するFTSE250は1.04%下落した。新型コロナウイルスのワクチンを製造する英製薬のアストラゼネカは1.1%下げた。 格安航空会社のイージージェットは1.2%安。新型コロナウイルスの影響やオミクロン変異株の発生で第1四半期の需要がやや弱まっていると報告したことが嫌気された。旅行・娯楽関連株指数も2.28%下落。英産業連盟(CBI)によるサービス業の四半期調査で、コストの上昇率が20年超ぶりの大きさとなったことが示された。BOEは物価上昇と経済リスクに同時に直面するという厳しい状況に置かれている。 30日の欧州株も反落。パウエルFRB議長が米国のインフレは一過性ではない可能性があると警告したことや、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」に対する既存ワクチンの有効性への懸念が重石となった。STOXX600は一時7週間ぶりの安値を付けた。月間では2.64%下落した。旅行・娯楽関連株指数は2.79%下落。月間の下落率は20.63%となり、2020年3月以来の大きさとなった。 30日のユーロ圏債券は、ドイツ10年債利回りが約3カ月ぶりの低水準に低下した。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン」株が及ぼす影響への懸念が、予想を上回るインフレ率上昇への懸念を上回った。安全資産とされるドイツ10年債利回りは一時マイナス0.363%と、9月以来の低水準を付けた。11月は約25bpの低下となり、月間では過去2年間で最大規模の低下幅を記録した。市場の利上げ観測は引き続き後退。ECBが来年12月に利上げするとの見方は大きく低下した。 1日のロンドン株は反発。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」を巡る懸念がやや後退し、旅行株や商品関連株が買い戻されたことが相場を押し上げた。金利の動向に敏感な銀行株指数は2.35%上昇。銅価格の反発を受け、鉱業株指数は2.07%上げた。新変異株が燃料需要に及ぼす打撃にどのように対応するのかについて主要産油国が協議の準備を進める中、石油株は上昇した。中型株で構成するFTSE250は1.75%高。旅行・娯楽関連株指数は前日の大幅下落から3.10%上げた。 1日の欧州株は反発。感染力が強い新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大懸念で下落していた銘柄が買い戻された。STOXX600は7週間ぶりの安値となった前日の下落から回復。11月の月間では2.64%下がっていた。ロイターの最新調査によると、企業収益の回復により2022年に欧州株が過去最高を記録する可能性がある。ドイツDAXとフランスCAC40は22年半ばまでに過去最高値を記録し、STOXX600は7月までに7%上昇して500ポイントに達すると予測している。

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  • 株式・為替・コモディティなどの独自の市場分析を踏まえ、常識・定説とは異なる投資戦略の考え方を読者と共有したいと思います。 グローバル投資家やヘッジファンドの投資戦略の構築プロセスなどについてもお話します。 さらに商社出身でコモディティの現物取引にも従事していた経験や、幅広い人脈から、面白いネタや裏話もご披露します。 またマーケット関連だけでなく、野球を中心にスポーツネタやマーケットと野球・スポーツの共通性などについても触れてみたいと思います。
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