メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

松尾スズキの【のっぴきならない日常】vol.494 HTML特別版(2/2)

松尾スズキの、のっぴきならない日常
松尾スズキの、のっぴきならない日常 / 2021年12月10日発行 /Vol.494(2/2) 「人生に座右の銘はいらない」 読者からの相談や質問に松尾スズキが独自の視点でお答えします! Q.先日、同棲している彼女の誕生日を忘れたまま仕事帰りに飲みに行き、終電で帰ってきてアパートの階段を上っていたら、待ち構えていた彼女に、冗談ではなく突き落とされました。幸いにも打ち身程度で済みましたが、記念日の重要性を思い知らされました。ご自身や、知り合いがやらかした、記念日やイベント(クリスマスとかバレンタインなど)の苦い思い出が、あれば教えてください。自分だけじゃないんだと、自分で自分を慰めてあげたくて。(28歳、男性) A.はい。わたしも、昔付き合っていた人に「今日、なんの日かわかる?」と聞かれ、なんにも思いつかなかったので「うーん……天皇誕生日?」と返したら「惜しい、わたしの誕生日だよ。……いや、惜しいことあるかい! こちとら平民じゃ!」とキレられ、そのままふられたことがあります。ノリツッコミは、ちょっとした別れのプレゼントだったのでしょうか。 やはり女性にとって記念日は大事。無理にでも、そう思っておいたほうが人生円滑に回ります。それ以来、付き合った人の誕生日くらいは覚えておこうと心に誓ったのですが、それでもホワイトデーだけは覚えられないので、バレンタインデーを強要することはありません。結婚記念日は車のナンバーに、妻の誕生日は携帯の妻の連絡先名に入れ込んであるので忘れはしないです。本気で彼女と続けていきたいのなら、自分のスマホのロックナンバーに誕生日を盛り込むとか……、いや、しかし階段から突き落とすって危険すぎますね。そこそこ暴力的な女性と付き合っていましたが、さすがにそこまでのことはありませんでした。製図用の大きな三角定規で刺されそうになったぐらいです。 Q.昔は全然飲めなかったのに、なぜか急にお酒が飲める体質になって嬉しい今日この頃なので、松尾さんのお酒の好みについて質問です。食事のときと、いわゆる晩酌(あってますかね? ダラダラ飲むというか飲むことだけが目的のときというか)で、お酒の種類は変わりますか? お酒歴が短いので、自分に合っているお酒を知りたくて質問してみました。よろしくお願いします。(33歳、女性、会社員) A.何が晩酌で、何がそうでないとか、その境界線に思いを馳せたことがないのです。飯を食う前から飲んでいることもあるので。でも、突然飲めるようになる人って、いますよね。竹中直人さんとか。お会いした頃は飲めなかったのに、ずいぶんたってラジオ番組に呼ばれたとき、ワインを飲みながらやってらっしゃって度肝を抜かれたことがあります。ケラさんも飲めるようになったとか、ならないとか……。芝居を観に行って一緒に飲むということがなくなってきたので、誰が飲めて誰が飲めないは、わからなくなってきました。 私は、最初はビールというのがほとんどです。家では糖質ゼロのアサヒのなんとかという発泡酒を飲みます。発泡酒なんて! と昔は思っていましたが、身体のことを思うと背に腹は変えられません。普通においしいし。1杯飲むと、もうその日の仕事モードは終了という運びになります。つまみに合わせて、ワインか焼酎のソーダ割りにわかれます。日本酒は、家ではほとんど飲みません。早く酔っ払いすぎるからです。ウィルキンソンの500mlのやつが1本なくなる頃にお開きにできれば、まあセーブしたと思えます。ワインも1本飲みきらなければ、セーフです。 何に対してセーフかわかりませんが、小日向さんが、長く俳優をやるために、1日酒を飲んだら2日飲まないと決めている、と聞いて、さすがだな、と思ったりするわけです。俳優は、酒でセリフがだめになるという噂を聞きます。だから、わたしが俳優をやらなくなったら、「あ、役者より酒を選んだな」と思ってもらって結構かと。でも最近、友人の一人が酒をやめたと聞いて、まあまあショックでした。「そろそろ潮時」という言葉が脳裏をよぎることもあります。わたしは、いつまで飲み続けていられるのでしょうか……。それを考えると、つーんとせつなくなるのです。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 松尾スズキの、のっぴきならない日常
  • 有名役者がひしめく「大人計画」を主宰し、芥川賞候補の作家、岸田國士戯曲賞受賞の演出家、現代日本を代表する怪優など、才能が溢れすぎて困っているのに、謙虚な佇まいが魅力的すぎる松尾スズキ。そんな彼のメルマガは、日記、質問&人生相談(もちろん本人が答えます)など読み応えタップリ! これだけのボリュームで月々たったの500円!!
  • 550円 / 月(税込)
  • 毎月 第1金曜日・第2金曜日・第3金曜日・第4金曜日(年末年始を除く)